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02月26日-05号

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  1. 神奈川県議会 2013-02-26
    02月26日-05号


    取得元: 神奈川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-16
    平成25年 第一回 定例会 △《本会議録-平成25年第1回-20130226-027298-諸事項-出席議員等・議事日程-》         平成25年第1回神奈川県議会定例会会議録第5号〇平成25年2月26日 午前10時30分開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共104名       出 席 議 員                       西   村   く に こ                       渡   辺   紀   之                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       藤   代   ゆ う や                       原       聡   祐                       中   谷   一   馬                       栄   居       学                       根   岸   孝   之                       山   下   昌 一 朗                       楠       梨 恵 子                       芳   賀   よ う じ                       斉   藤   た か み                       若   林   智   子                       飯   田       満                       谷   口   かずふみ                       三   橋   政   雄                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       守   屋   てるひこ                       柳   下       剛                       八   木   大 二 郎                       細   谷   政   幸                       さ と う   知   一                       浦   道   健   一                       青   山   圭   一                       市   川   よ し 子                       日   浦   和   明                       土   居   昌   司                       小   林   大   介                       久   坂   誠   治                       城   田       学                       赤   野   た か し                       亀   井   たかつぐ                       佐 々 木   正   行                       髙   橋       稔                       河   本   文   雄                       横   山   幸   一                       加   藤   元   弥                       内   田   み ほ こ                       長   田   進   治                       国   松       誠                       早 稲 田   夕   季                       岸   部       都                       合   原   康   行                       作   山   友   祐                       松   本       清                       か と う   正   法                       宗   像   富 次 郎                       安   川   有   里                       軽   部   和   夫                       馬   場   学   郎                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       杉   本       透                       石   井   もとみち                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       寺   崎   雄   介                       長   友   よしひろ                       近   藤   大   輔                       山   口   ゆ う 子                       日   下   景   子                       曽 我 部   久 美 子                       塩   坂   源 一 郎                       飯   田       誠                       鈴   木   ひ で し                       赤   井   かずのり                       木   村   謙   蔵                       桐   生   秀   昭                       佐   藤       光                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       古   沢   時   衛                       た き た   孝   徳                       齋   藤   健   夫                       安   藤       慶                       松   崎       淳                       大   村   博   信                       岩   本   一   夫                       相   原   高   広                       笠   間   茂   治                       川   上   賢   治                       藤   井   深   介                       国   吉   一   夫                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       山   本   俊   昭                       向   笠   茂   幸                       堀   江   則   之                       中   村   省   司                       久 保 寺   邦   夫                       吉   田   大   成                       茅   野       誠                       平   本   さ と し                       はかりや    珠   江                       豊   島   き よ し       説明のための出席者         知         事   黒   岩   祐   治         副    知    事   古 尾 谷   光   男         同             黒   川   雅   夫         同             吉   川   伸   治         理事            水   田   秀   子         政策局長          江   原   正   明         総務局長          中   島   栄   一         安全防災局長        蛯   名   喜 代 作         県民局長          武   山       哲         環境農政局長        中   島   正   信         保健福祉局長        菊   池   善   信         商工労働局長        桐   谷   次   郎         県土整備局長        高   村   栄   二         会計管理者兼会計局長    野   沢       俊         教育委員会教育長      藤   井   良   一         同  教育局長       二   見   研   一         警察本部長         久   我   英   一         警察本部総務部長      佐   藤   信   晶         人事委員会事務局長     稲   垣   良   一         監査事務局長        浄   園   英   史         労働委員会事務局長     樋   口   正   人         公営企業管理者企業庁長   古   谷   幸   治         企業庁企業局長       北   村       明   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          冨   田   輝   司         議会局副局長兼総務部長   水   内   康   人         同  議事調査部長     神   保   直   也         同  総務部総務課長    高   橋   克   幸         同  議事調査部            議事課長       吉   田   修   一         同  議事調査部            政策調査課長     大   石       潔   ───────────────────────────────────────            平成25年第1回神奈川県議会定例会議事日程第5号                            平成25年2月26日午前10時30分開議第1 定県第 1 号議案 平成25年度神奈川県一般会計予算   定県第 2 号議案 同  年度神奈川県市町村自治振興事業会計予算   定県第 3 号議案 同  年度神奈川県公債管理特別会計予算   定県第 4 号議案 同  年度神奈川県公営競技収益配分金等管理会計予算   定県第 5 号議案 同  年度神奈川県地方消費税清算会計予算   定県第 6 号議案 同  年度神奈川県災害救助基金会計予算   定県第 7 号議案 同  年度神奈川県母子寡婦福祉資金会計予算   定県第 8 号議案 同  年度神奈川県水源環境保全再生事業会計予算   定県第 9 号議案 同  年度神奈川県農業改良資金会計予算   定県第 10 号議案 同  年度神奈川県恩賜記念林業振興資金会計予算   定県第 11 号議案 同  年度神奈川県林業改善資金会計予算   定県第 12 号議案 同  年度神奈川県沿岸漁業改善資金会計予算   定県第 13 号議案 同  年度神奈川県介護保険財政安定化基金会計予算   定県第 14 号議案 同  年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構資金会計予算   定県第 15 号議案 同  年度神奈川県中小企業資金会計予算   定県第 16 号議案 同  年度神奈川県流域下水道事業会計予算   定県第 17 号議案 同  年度神奈川県県営住宅管理事業会計予算   定県第 18 号議案 同  年度神奈川県都市用地対策事業会計予算   定県第 19 号議案 同  年度神奈川県病院事業会計予算   定県第 20 号議案 同  年度神奈川県水道事業会計予算   定県第 21 号議案 同  年度神奈川県電気事業会計予算   定県第 22 号議案 同  年度神奈川県公営企業資金等運用事業会計予算   定県第 23 号議案 同  年度神奈川県相模川総合開発共同事業会計予算   定県第 24 号議案 同  年度神奈川県酒匂川総合開発事業会計予算   定県第 25 号議案 知事等の給与の特例に関する条例   定県第 26 号議案 南方諸地域戦没者追悼沖縄神奈川塔整備基金条例   定県第 27 号議案 知事等の期末手当及び職員の管理職手当の特例に関する条例を廃止する条例   定県第 28 号議案 特別会計の設置に関する条例等の一部を改正する条例   定県第 29 号議案 産業集積の促進に係る不動産取得税の税率の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 30 号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 31 号議案 神奈川県職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 32 号議案 県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例   定県第 33 号議案 職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例   定県第 34 号議案 職員の勤務時間、休暇等に関する条例及び学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 35 号議案 学校職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例   定県第 36 号議案 任期付研究員の採用等に関する条例等の一部を改正する条例   定県第 37 号議案 神奈川県環境影響評価条例の一部を改正する条例   定県第 38 号議案 神奈川県看護師等修学資金貸付条例の一部を改正する条例   定県第 39 号議案 神奈川県屋外広告物条例の一部を改正する条例   定県第 40 号議案 港湾の設置及び管理等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 41 号議案 神奈川県公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 42 号議案 市町村立学校職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 43 号議案 警察組織に関する条例の一部を改正する条例   定県第 44 号議案 神奈川県地方警察職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 45 号議案 神奈川県及び東京都の境界にわたる相模原市と町田市の境界変更について   定県第 46 号議案 境界変更に伴う財産処分に関する協議について   定県第 47 号議案 建設事業等に対する市町負担金について   定県第 48 号議案 かながわ男女共同参画推進プランの変更について   定県第 49 号議案 包括外部監査契約の締結について第2 定県第 163号議案 平成24年度神奈川県一般会計補正予算(第7号)   定県第 164号議案 同  年度神奈川県公債管理特別会計補正予算(第1号)   定県第 165号議案 同  年度神奈川県地方消費税清算会計補正予算(第1号)   定県第 166号議案 同  年度神奈川県市町村自治振興事業会計補正予算(第1号)   定県第 167号議案 同  年度神奈川県水源環境保全再生事業会計補正予算(第2号)   定県第 168号議案 同  年度神奈川県農業改良資金会計補正予算(第1号)   定県第 169号議案 同  年度神奈川県林業改善資金会計補正予算(第1号)   定県第 170号議案 同  年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構資金会計補正予算(第1号)   定県第 171号議案 同  年度神奈川県母子寡婦福祉資金会計補正予算(第1号)   定県第 172号議案 同  年度神奈川県介護保険財政安定化基金会計補正予算(第1号)   定県第 173号議案 同  年度神奈川県中小企業資金会計補正予算(第2号)   定県第 174号議案 同  年度神奈川県流域下水道事業会計補正予算(第1号)   定県第 175号議案 同  年度神奈川県県営住宅管理事業会計補正予算(第1号)   定県第 176号議案 同  年度神奈川県都市用地対策事業会計補正予算(第1号)   定県第 177号議案 同  年度神奈川県水道事業会計補正予算(第2号)   定県第 178号議案 同  年度神奈川県公営企業資金等運用事業会計補正予算(第2号)   定県第 179号議案 知事等の給与等の特例に関する条例を廃止する条例   定県第 181号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 182号議案 神奈川県再生可能エネルギー等導入推進基金条例の一部を改正する条例   定県第 183号議案 神奈川県介護職員処遇改善等臨時特例基金条例の一部を改正する条例   定県第 184号議案 神奈川県介護基盤緊急整備等臨時特例基金条例の一部を改正する条例   定県第 185号議案 神奈川県緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例   定県第 186号議案 神奈川県道路占用料徴収条例の一部を改正する条例   定県第 187号議案 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部を改正する条例   定県第 188号議案 不動産の処分について   定県第 189号議案 建設事業等に対する市町負担金について   定県第 190号議案 公平委員会事務の委託の廃止について   定県第 191号議案 債権の放棄について   定県第 192号議案 訴訟の提起について   定県第 193号議案 和解について   定県第 194号議案 地方独立行政法人神奈川県立病院機構中期計画の変更の認可について   県報第4号 専決処分について承認を求めること(平成24年度神奈川県一般会計補正予算(第6号))   県報第5号 専決処分について承認を求めること(平成24年度神奈川県水源環境保全再生事業会計補正予算(第1号))   県報第6号 専決処分について承認を求めること(平成24年度神奈川県水道事業会計補正予算(第1号)第3 定県第 180号議案 職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例   定県第 195号議案 平成24年度神奈川県一般会計補正予算(第8号)   定県第 196号議案 同  年度神奈川県流域下水道事業会計補正予算(第2号)   定県第 197号議案 神奈川県森林整備加速化林業再生事業基金条例   定県第 198号議案 神奈川県消費者行政活性化基金条例の一部を改正する条例   定県第 199号議案 神奈川県地域自殺対策緊急強化基金条例の一部を改正する条例   定県第 200号議案 建設事業に対する市町負担金について   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-平成25年第1回-20130226-027299-質問・答弁-河本文雄議員-一般質問①都市農業の振興について②航空宇宙産業の振興について③「地域活性化」の取組について④生物多様性の保全について⑤自転車事故防止対策について》   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共100名 ○議長(竹内英明) ただいまから本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(竹内英明) 審議を行います。  日程第1、定県第1号議案 平成25年度神奈川県一般会計予算外48件及び日程第2、定県第163号議案 平成24年度神奈川県一般会計補正予算外33件、以上一括して議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  河本文雄君。  〔河本文雄議員登壇〕(拍手) ◆河本文雄議員 相模原市中央区の河本文雄でございます。自民党神奈川県議団の一員として、通告に従い、提言を交えながら順次質問させていただきます。  先輩、同僚議員におかれましては、しばらくの間ご清聴のほどよろしくお願いいたします。  また、知事及び政策局長、環境農政局長、警察本部長におかれましては明快なご答弁をよろしくお願いいたします。  質問の第1は、都市農業の振興について伺います。  最初に、ブランド力を生かした産地育成についてですが、TPPへの交渉参加が取りざたされるなど、我が国の農業を取り巻く環境は不透明で厳しい状況にあり、神奈川県においても、農家の戸数や農地面積は長期的に減少傾向にあります。こうした状況の中、本県の農業者が将来にわたって持続的に営農を続けていくためには、競争力を強化し、国際競争にも負けない強い農業を育成していくことが急務であります。  近年、安全かつ高品質で食味の良い日本産の農産物が海外でも人気が高まっており、北海道や九州など大農業県と言われる地域では、アメリカや中国にかなりの量の農産物を輸出しています。日本産ならではの付加価値のある農産物を輸出することで、農業振興に結びつけようという取り組みです。  一方、本県の場合は農地は少なく、地価も高いことから、農地の集約化、大規模化による低価格の農産物を大量に作って価格競争力を高めていくことは困難であります。価格が多少高くても消費者に購入していただけるような安全で高品質な魅力ある農産物を生産し、販売していくことが重要であり、何より、輸出しなくても900万県民を抱える大消費地にあるという他県にはない大きなメリットがあります。  その大きなメリットを生かす取り組みとして、県では地産地消を推進することに力を入れ、例えば、大型直売センターの整備は中小規模の農家の新たな販路先として大きな成果を上げていることは承知しております。しかし、生産額や生産量で本県農業生産の主力を担っている中核的農家を、将来にわたって意欲を持って頑張りがいのある経営環境にするためには、ブランド力のある高付加価値の農産物が地域ごとの特徴を生かして年間を通して生産、供給され、消費者に評価され、価格が多少高くても購入していただけることが重要と考えます。  例えば、知事がトップセールスするなど生産や販売促進に力を入れている湘南ゴールドは、県の農業技術センターで品種育成した本県独自の農産物として、生産量は少ないものの少しずつ認知度が上がり、希少価値もあって、従来から生産されている柑橘に比べて高価格で出荷、販売されていると伺っており、ブランド化、高付加価値化の取り組みとして成果を上げつつあります。しかしながら、県全体で見てみると、湘南ゴールドを生産できる地域は比較的温暖な県の南西部に限られており、出荷時期も3月から4月までの一時期だけです。  湘南ゴールドのほかにも、ネギの湘南一本やナスのサラダ紫など県が開発した新品種や、キュウリの相模半白や津久井在来大豆、カラシ菜の仲間の大山菜といった昔から地域で栽培されてきた在来品種など、本県独自の農作物がさまざまに生産されておりますが、単独で中核農家の経営を支えるまでには至っていないと伺っております。  1年を通して県内のいろいろな地域でブランド力があり、高付加価値の農産物が一定規模で生産され、県民に供給されることは、魅力ある農業経営が成り立つことにつながり、そのことが後継者である若手農業者の意欲を喚起し、企業など新規参入にも結びつき、ひいては本県ならではの強い農業が実現していくことと考えております。  そこで、知事に伺います。  県として、地域の特徴を生かしたブランド力のある産地育成を進める必要があると考えますが、見解を伺います。  2点目は、県民が関わる農業の推進についてです。  本県農業は、全国有数の大都市である横浜市や川崎市といった一大消費地を抱え、新鮮な農産物を供給するとともに洪水など自然災害の防止、水源の涵養、多様な生物を育む自然環境の保全、心安らぐ良好な景観の形成などさまざまな多面的機能を果たしており、豊かな県民生活を実現する上で欠くことのできない存在であります。これらの多面的機能は、農業が環境と調和する形で適切に営まれてこそ発揮されるものです。  本県では、横浜市や川崎市など都市化の進んだ地域から県北や県西の中山間地域まで、地形や自然条件など地域ごとの特徴を生かしてさまざまな農業経営が営まれております。都市化が進み1戸当たりの農地面積は少ないながらも、高い技術力を生かして全国でもトップクラスの土地生産性を誇っています。また、市街化区域内においても、農地は小規模で点在しているものの、まさに都市の中の農業として貴重な緑のオープンスペースや、災害時の避難地になるなど都市の防災機能にも大きな役割を果たしています。  こうした本県農業に対して、平成24年の県民ニーズ調査によれば、約70%の方々が地元産の農産物の購入を優先したいと思うと回答しています。私もこのこと自体は大変好ましいと思いますし、本県農業に対する期待は非常に大きいと感じております。しかしながら、私は、県民の本県農業に対するこうした大きな期待が、必ずしも県民の実際の消費行動には結びついていないと考えております。  その一つの原因として、新鮮で安心な食材を購入することができ、環境保全にも役立つといった県内農産物を消費することによるさまざまなメリットについて、知識としては理解していても、直接体験して野菜や果物などの生産過程を知る機会がまだまだ少ないと考えます。例えば市民農園に参加する、あるいは年間を通して農作業ができない県民の方には、農作物の収穫など農作業の一部を体験してもらうことで農業生産の楽しさや難しさを実感することができ、こうした体験を通じて農業に対する理解が深まり、やがては県内農産物をもっと積極的に消費しようという消費行動につながると考えます。  こうした取り組みを通じて農業者以外の多くの方が積極的に農業に取り組むことにより、農業の後継者の不足、耕作放棄地の発生など、現在、都市農業を取り巻くさまざまな課題の解決へ道筋をつけることや、都市近郊に残る貴重な農地の保全やさらなる活用につなげることが期待できると考えます。また、そうした体験型の農業経営は、都市の中の新しい農業経営として、都市農業を営む方にとっては新たな収入源として、大きな可能性を持っているのも事実です。  そこで、知事に伺います。  県民に農作業を体験していただき農業理解を促進するため、市民農園や体験農園などの取り組みを促進するべきと考えますが、見解を伺います。  3点目は、学校給食を通じた地産地消の推進についてです。  農業理解は食糧生産への理解に通じるもので、地元神奈川で生産されたものをおいしく食べることは地産地消についても重要であり、正しい食育につながるものと考えます。地産地消を推進する上での本当の食育とは、命をいただくことの意味とともに、農家を教室に招いて交流し、小学校高学年からフードマイル、地産地消、バーチャルウォーターなどを教えていくことだと考えます。  また、地産地消には単に地場産品の消費拡大という面だけではなく、多くの利点があります。まず、消費者には、生産地が近いことによりとれたてで新鮮な食材が手に入ります。また、最近では農家さんの名前の入った食材や、顔写真とコメントが掲載されている食材なども販売されており、生産者の顔が見えやすく、安全・安心につながります。一方、生産者としても、産直施設などに規格外のものを販売することで無駄を減らすことや、消費者と交流することでニーズを把握することが可能になります。  さらに、食材の輸送距離が減ることにより流通コストを抑えることができるだけではなく、輸送に伴うCO2の排出が少なくなるなど環境への負荷も小さくなります。  このように、地産地消とは単に地域でとれたものを地域で消費するだけでなく、生産者、消費者双方が互いに農や食に対する理解を深め、一緒に農を支えていく取り組みであります。  県で現在策定中の第二次食育推進計画素案では、目標に学校給食を通じた子供への食育の推進が掲げられており、その具体的な取り組みの一つとして、公立小中学校において、かながわ産品学校給食デーを年に1回以上実施するという項目があります。  かながわ産品学校給食デーは県内産食材を使用した給食を提供するとともに、その食材を味わいながら学ぶ活動を給食と併せて実施するものです。この取り組み自体は私も非常に有意義なものだと考えておりますが、年に1回以上実施という目標は余りにも少ないと考えます。こうした取り組みをさらに充実させ、継続していけば、子供たちが、自分が食べる食品、食材が地元で生産されているものであることをきちんと認識し、このことを大切に思う心を涵養することができると考えます。また、将来、大人になったときに、神奈川県産の食材を選んで購入することにもつながると考えます。  そこで、知事に伺います。  地産地消の学校給食を通じてより一層食育を推進するためにも、かながわ産品学校給食デーを充実強化する必要があると考えますが、見解を伺います。  質問の第2は、航空宇宙産業の振興について伺います。  さきの代表質問において、我が会派の国松議員が宇宙航空研究開発機構─JAXAの技術の生活支援ロボットへの活用について質問し、知事からは前向きなご答弁をいただきました。今般の神奈川全開!宣言2013においても、知事は成長・先端産業の創造としてこの二つの分野を挙げ、本県のポテンシャルを生かした新たな活力創造を図るとしております。  こうした取り組み自体は評価するところでありますが、私は「かながわグランドデザイン」においてライフサイエンスやロボットと同様、成長産業として位置付け、発展を促進するとした航空宇宙産業に関する振興策がいま一つ強烈に出ていないことを懸念しております。  JAXAでは、2025年を見据えた長期ビジョンにおいて宇宙航空技術を利用して安全で豊かな社会を実現するとして、自然災害や地球環境問題への対応に役立つシステムを作ることにも精力的に取り組んでおります。その一例が、17年後の2030年までの実用化を目指している宇宙太陽光発電です。  この宇宙太陽光発電とは、宇宙空間上で太陽光発電を行い、その電力をワイヤレスで地上に送る発電システムであります。このシステムは天候や季節、昼夜にほとんど左右されることなく、とても効率よく太陽光エネルギーを集めることができ、エネルギー源が太陽なので、石油などと違って枯渇する可能性もほとんどありません。また、宇宙空間で発電するので二酸化炭素の排出は受電施設のみで、環境に優しいと言えます。  このような技術を生かして、総務省では、家電等への電源供給の際に電源コードが不要なワイヤレス電源などについて、2年後の2015年の実用化を目指しているとのことです。こうした電波利用システムを構築し、新産業を創出することによって電波市場とその関連市場の拡大が期待でき、さらにはユビキタス社会の実現にもつながっていくと考えます。  また、国では先月、2013年度からの新たな宇宙基本計画を策定し、航空宇宙産業を日本の基幹産業に育てるという戦略が示されています。経済のエンジンをさらに回すためにも、本県でも具体的に航空宇宙産業の振興策を検討すべきと考えます。とりわけJAXAの相模原キャンパスは、はやぶさに代表されるように宇宙の分野の研究開発では国内最高峰にあり、本県のポテンシャルを生かすのであれば、これ以上にない環境にあると言えます。  航空や宇宙といった分野は県民生活から見るとやや距離感があり、技術面からも特殊な部分があって、短期間での急速な発展は難しいかもしれません。だからこそ早い段階から計画的に取り組みを進め、県民の気運も高めながら、神奈川の将来を支える一大産業に育てていく視点が大切だと考えます。  そこで、知事に伺います。  本県の経済を活性化していくためには、ライフサイエンスや生活支援ロボットに加え、航空宇宙産業の振興が欠かせないと考えますが、今後どのように進めていこうと考えているのか伺います。  質問の第3は、「地域活性化」の取組について伺います。  本県の人口は平成18年に全国で第2位となり、平成21年には900万人を突破し、依然として増加が続いています。しかし、合計特殊出生率は人口を維持できる水準を下回っており、高齢化は全国を上回るスピードで急速に進行することが見込まれております。県がグランドデザインで示したとおり、近い将来、本県においては超高齢社会が到来し、県内人口は減少の一途をたどると予測されます。  また、県内の市町村に目を向ければ、地域によっては人口の減少が見られるほか、少子化、高齢化の進行、産業構造の変化やボーダレス化、情報化の進展、人々の価値観やライフスタイルの多様化、県域を越えた広域行政課題の増加など、地域づくりをめぐるさまざまな環境の変化が生じています。特に、経済的な基盤が弱く生活にコストのかかる山間部等においては、都市部に比べ少子・高齢化、人口減少が一層急速に進むのではないか、また、住民自治機能が低下するのではないかと危惧されます。  地域における自治の究極の目標は、住民の福祉の増進、すなわち地域に暮らす人々の幸せや地域の豊かさを向上させることにあります。県ではさまざまな形で地域活性化に取り組んでいることは承知しておりますが、地方分権時代にあっては、県による地域活性化施策だけでなく、地域住民による地域の実情に即したまちづくりを進めていくべきと考えます。地域住民による自治の仕組みや仕掛けを具体化し、創意と工夫に満ちた活動こそが地域を活性化させていきます。ひいては個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現につながっていくことと考えます。  そのためには、何よりも地域に住民が生活していることが不可欠であります。定住を促進する観点から、市町村では、山間部等が抱える地域産業や地域サービス、農業等の諸課題を解決していくことが求められます。こうした課題の解決の中で、複数の市町村が抱える共通の課題については市町村それぞれが単独で取り組むのではなく、県が広域的な見地から市町村の取り組みを支援すべきと考えます。  そこで、政策局長に伺います。  今後、人口減少が見込まれる中、広域的な自治体である県として、山間部等が抱える地域課題を的確に捉え、その課題解決を通じて地域活性化を図る取り組みが必要と考えますが、見解を伺います。  質問の第4は、生物多様性の保全について伺います。  昨年12月、政権が交代し、長引くデフレ不況から脱却すべく、現在、大型補正予算の編成や大胆な金融緩和策などが実施され、ようやく経済が活性化しようとしています。また、本県においても、経済のエンジンを回すことを目的としてさまざまな経済の活性化策が検討されていることは承知しておりますが、経済活動の活発化と自然環境保全の両立は過去においても現在においても、そして将来においても本県の重要な課題であると考えます。  県内には丹沢大山を初めとした雄大な山々、美しい湘南海岸、相模川を初めとした大小の河川、そして都市近郊には豊かな里山もあり、これらの自然の中で多種多様な動植物が生息しております。こうした豊かな動植物をできる限り今の姿のままで後世に引き継いでいくことは、私たち現代を生きる世代の責務でもあると考えます。  県では平成25年度当初の新規予算として、生物多様性保全推進事業費295万円が計上されております。生物多様性の保全については、平成22年には名古屋市で生物多様性条約締約国会議、いわゆるCOP10が開かれていることからも、国際的にも重要課題でありますが、保全の重要性や、保全のために何が必要かといった課題については必ずしも県民に浸透しておりません。  平成20年6月には生物多様性基本法が制定されて、地方自治体は生物多様性地域戦略の策定に努めることが規定されておりますが、現在のところ都道府県レベルでは半分も策定しておらず、県内市町村でも横浜市のみという状況であります。地域戦略の策定が進まないことが、生物多様性という重要課題が県民に浸透しない一因にもなっているものと考えます。その中で県が生物多様性について新規予算を計上し、地域戦略を策定していくことは、生物多様性を保全することの重要性を幅広く県民に周知するために必要だと考えます。また、市町村の地域戦略策定の後押しといった点でも望ましいと考えます。  そこで、環境農政局長に伺います。  生物多様性保全の必要性についてどのように考え、県民への周知を含め県としてどのように取り組んでいこうとしているのか、見解を伺います。  質問の第5は、自転車事故防止対策について伺います。  身近で便利な乗り物である自転車は、環境負荷の低減や健康づくりに寄与する効果も期待され、日常生活において多くの県民の方に利用されております。  県内における交通事故の発生件数及び負傷者数が12年連続で減少している中で、自転車の交通事故についても10年連続で減少していると承知しております。このことは、県警察を初め関係機関・団体における自転車利用者を対象とした各種対策の成果と考えております。しかし、その一方で、神奈川県においては自転車の関係する交通事故の全事故に占める割合─構成率は平成20年以降23%を超えている状況であり、さらなる自転車対策が課題であると考えます。  今後も増加すると考えられる自転車利用者に対し、自転車事故を減少させ、人に優しい安全で安心なまちづくりの実現のため、自転車の交通安全対策について2点見解をお伺いします。  まず1点目は、自転車の通行環境の整備についてです。  実は、私の住む相模原市も自転車の関係する交通事故の全事故に占める割合が30%を超えており、自転車交通事故多発地域に指定されております。歩道を自転車と歩行者が、あるいは自転車同士が相互に行き交い、すれ違うときに危険を感じる人も多いのではと考えます。  相模原市中央区の中央一丁目から五丁目交差点では、昨年5月から、歩道上において自転車と歩行者の通行部分を指定した上で通勤・通学時間帯の自転車一方通行規制が行われており、この歩道上における自転車一方通行規制は全国で2例目、市街地では全国初となり、事故防止に一定の効果が上がっていると伺っております。  そこで、警察本部長に伺います。  自転車道や自転車レーンの整備、歩行者、自転車の通行区分の明確化、さらには公共施設や観光施設などへのアクセス性や公共交通機関と結節性等を考慮した自転車通行環境のネットワーク化をさらに進めていくことが必要と考えますが、今後の自転車通行環境の整備方針についてお伺いいたします。  2点目は、自転車利用者への安全教育の推進と違反者への指導取締りについてです。  傘差し運転や携帯電話等の使用など、交通違反や危険な運転が行われている状況があり、自転車利用者のマナーが悪いことなどが大きな問題となっています。また、このようなことが原因で不幸にして自転車事故が起こり、多額の損害賠償金が発生するケースもあると伺っております。自転車利用者は、加害者にも被害者にもなり得ます。日ごろから自転車の点検・整備を意識づけ、万が一の事故にも対応できるTSマーク制度の普及など、利用者に責任と自覚を促すための取り組みが必要と考えます。  また、ルールを守らない自転車利用者への罰則強化のため、平成23年5月に県道路交通法施行規則が一部改正されましたが、取り締まりが厳しくなった、罰金を取られたということを余り見聞きしません。これまでも、関係機関や団体が連携して事故防止キャンペーンや交通安全教室の実施などさまざまな活動に取り組んできていることは承知しておりますが、連携をより一層強め、各団体の責任や役割分担に基づき効果的な対策が講じられるよう、これまで以上の取り組みが必要であると考えます。  そこで、警察本部長に伺います。  今後の自転車利用者に対するルールの周知と安全教育の方針について伺います。  また、違反者への指導、取り締まりをこれまで以上に強化する必要があると考えますが、ルールを守らない自転車利用者への指導・取り締まり方針について併せて伺います。  以上で私の第1回の質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 河本議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、都市農業の振興について何点かお尋ねがありました。  まず、ブランド力を生かした産地育成についてであります。  農家経営の安定や生産意欲の向上を図るためには、価格競争に負けない魅力ある農産物や、商品に付加価値を付けてよりブランド力を高めることが必要です。そこで、県ではこれまで特徴のある新品種の育成に取り組んできました。最近では、平成15年にさわやかな香りの柑橘、湘南ゴールド、16年に吹きかけ模様のスイートピー、リップルシリーズを育成し、現在、各地域の特産品として生産を拡大しています。さらに今月にはスイートピーの新品種、スプラッシュシリーズを発表しました。そして、衣食農同源の推進につなげていくため、抗酸化作用を持つリコペンなど機能性成分を豊富に含む野菜の育成に取り組んでいます。  また、湘南ゴールドについては期間限定スイーツなどの開発を働きかけ、横浜市内のホテルでオリジナルスイーツを提供するなど、より付加価値を高めることによってさらなるブランド力の強化を進めています。  一方、県内には三浦大根、津久井在来大豆、川崎市菅地区ののらぼう菜など、古くから栽培されてきた在来品種があります。これらの生産量は大変少なく、希少価値があるため、栽培技術や加工品開発の支援を行い、ブランド化を進めていきます。  こうした新品種と在来品種を利用したブランド力のある農産物や加工品を生産することで、産地の育成を図り、農家経営の安定化に努めてまいります。  次に、県民がかかわる農業の推進についてです。  地産地消を推進していくためには、県民の皆さんが農作業を体験し、農業に対する理解を深めていくことが有効です。そのため、県ではそれぞれのニーズに合った支援を行っています。  まず、手軽に農業体験をしたい方には、農家の指導を受けながら農作業を行う会費制の体験農園があります。県では、農家の皆さんが体験農園の開設を希望した場合には、モデル事例の紹介や開園後の支援などを行っています。  そして、平成15年度からは退職後に農作業を希望する中高年の皆さんのニーズを受けて、中高年ホームファーマー事業を開始し、耕作放棄地を借り上げ、100から500平方メートルほどに区画した農地を提供しています。  さらに、平成19年度からは、中高年ホームファーマーなどからステップアップして本格的に耕作を希望する方を対象に、1,000から3,000平方メートル程度の農地を耕作するかながわ農業サポーター事業を開始し、これまでに78名の方が農業を実践しています。  また、平成14年度までに県が先導的に、整備に対する支援を行った市民農園については、市町村や農協、農家の皆さんが主体となって整備を進め、県内で広く定着しています。今後も市町村などと連携しながら県民の皆さんの農作業体験に対するさまざまなニーズに応えられる場を提供し、農業に対する理解促進を図ってまいります。  次に、学校給食での地産地消の推進についてです。  子供の頃から命の源である食の大切さを学び、身に付けることは大変重要であります。現在策定中の「第二次食育推進計画案」では、重点目標に学校給食を通じた子供への食育の推進を挙げ、食材として地場産物の活用を促進することとしています。また、栄養教諭の立場から、どのようにしたらできるだけ多くの地場産物を学校給食に取り入れることができるかなどを検討するため、昨年12月に栄養教諭等による地産地消の学校給食を検討する会議を設置いたしました。  議員ご指摘のかながわ産品学校給食デーは、単に地場産物を使うだけではなく、その食材が作られた場所や作り方などの背景を子供たちに伝える情報発信の取り組みを一緒に行うのが特徴です。この取り組みは平成20年度から、給食を実施しているすべての公立学校で年1回以上実施することを目標として協力を呼びかけてまいりました。学校や共同調理場など現場の努力の積み重ねにより、5年目となった今では地域の実情に合わせたさまざまな取り組みが報告されています。  一例として、先日、相模原市では小学校4校を対象に100%県産給食デーが行われました。県内産の米と牛乳、シラス、市内産の野菜、卵、豚肉、みそ、豆腐が使われ、おいしく食べながら、さがみ菜、津久井在来大豆など地域の特産物についても学べるすばらしい内容であったと聞いております。  神奈川の子供たちの食育をさらに推進していくため、地産地消の学校給食を検討する会議の方向性ともしっかり連携させ、内容の充実を図りながら神奈川産品学校給食デーの目標回数の見直しも検討してまいります。  最後に、航空宇宙産業の振興についてお尋ねがありました。  航空宇宙産業のうち航空機産業では、2030年ごろに世界全体での旅客数が2.5倍にふえ、現在よりも約2倍の航空機が必要となると見込まれています。加えて航空機のライフサイクルは25年以上と長く、1度参入すれば部品等の安定的な需要が見込まれることから、魅力的な市場であると認識しています。  また、宇宙産業は人工衛星、ロケットといったハードのほか、衛星放送やカーナビなどソフト面でも多くの可能性を秘めています。国においては、衛星の打ち上げなど宇宙機器を中心に、宇宙産業の国際競争力を強化するための施策が展開されつつあり、関連分野の技術革新が今後、急速に進んでいくものと考えられます。  一方、本県には自動車やエレクトロニクスで培った高度なものづくり技術を持つ中小企業が数多く存在し、その技術やノウハウを航空宇宙産業の分野で発揮することでさらなる発展が期待されるところです。こうしたことから、かながわグランドデザインでは航空宇宙産業を成長産業として位置付け、産学公が連携して新技術、新製品の開発に取り組むほか、中小企業の参入を促進することとしました。  現在、県では航空宇宙産業へ参入している海外企業の事例を紹介するセミナー、中小企業のための航空機国際カンファレンスの開催、販路開拓や技術連携につながる国際航空宇宙展等への出展支援といった取り組みを進めているところです。今後はこうした取り組みとあわせ、さがみロボット産業特区の指定を機に独立行政法人宇宙航空研究開発機構─JAXAと中小企業との連携を強化することで、本県の航空宇宙産業の振興を図ってまいります。具体的には、相模原市や地元の商工会議所などによるものづくり企業のための宇宙科学研究会に協力することで中小企業の技術や製品をJAXAに使用してもらえるきっかけづくりを拡充してまいります。  このように、JAXAと中小企業との技術連携をさまざまな形で促進し、互いの垣根を取り払うことで航空宇宙産業への参入促進と振興を積極的に展開してまいります。  私からの答弁は、以上です。〔政策局長(江原正明)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 江原政策局長。 ◎政策局長(江原正明) 政策局関係のご質問にお答えします。  地域活性化の取り組みについてのお尋ねがございました。  県では、総合計画である「かながわグランドデザイン」に五つの地域政策圏を設定し、それぞれの地域の特性を踏まえた施策事業を計画に位置付け、その推進を図っております。  そうした中で、地域のさまざまな課題に対して、地域県政総合センターが中心となって地域別で開催する首長懇談会や日ごろの事務レベルでの打ち合わせなど、幅広く意見交換を行い、その解決に取り組んでおります。  また、地域県政総合センターでは有害鳥獣対策や観光振興などに機動的に対応するため、地域課題対策費を活用して、モデル的な事業の実施や地元団体の活動を支援しております。  一方、国等においては、これまでも地域活性化を促進する各種助成事業を実施してきましたが、このたびの補正予算において、地域経済の活性化や山村振興等の自立体制を目指す過疎集落等自立再生緊急対策事業が予算化に向けて審議中であります。県としては、こうした制度の活用を市町村に促しながら、今後とも地域の課題に対して広域的な観点からきめ細かな支援を行い、地域活性化につなげてまいりたいと考えております。  私からの答弁は、以上でございます。〔環境農政局長(中島正信)発言の許可を求む〕 ◎環境農政局長(中島正信) 環境農政局関係のご質問にお答えをいたします。  生物多様性の保全についてお尋ねがございました。  私たちの周りには、森、里、川、海など多様な生態系のもとに鳥、魚、植物など多様な生物が生き、同じ種でも多様な遺伝子を持っております。こうした多様な要素が相互に関連してさまざまな連鎖が生まれ、豊かな自然や生活に欠かせない酸素、水、食料などのさまざまな恵みを与えてくれております。こうしたさまざまな要素やつながりを総体として生物多様性と捉えております。  今、乱獲、開発、外来生物の侵入などによりこれらのバランスが崩れ、絶滅の危機に瀕している種がふえています。このような危機的状況を認識し、生物多様性を保全していくことが本県の豊かな自然環境を守るための重要な課題であると考えています。今後、生物多様性の現状、取り組みの重要性、保全のための施策を盛り込んだ生物多様性地域戦略を策定してまいりますが、この問題は私たちの日常生活に密接に関連していることから、県民の皆様に生物多様性とは何か、また、なぜ重要なのかということをご理解いただく必要がございます。  そこで、平成25年度には生物多様性保全危機マップの作成に着手をし、県民の皆様に生物多様性の現状をわかりやすくお伝えしてまいります。また、地域戦略の策定に当たっては、県民の皆様を初め多様なセクターのご意見を伺ってまいります。そして、地域戦略の実行に際してはさまざまな皆様のご理解とご協力をいただき、経済活動とのバランスをとりながら生物多様性保全に努めてまいります。  私からの答弁は、以上でございます。〔警察本部長(久我英一)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 久我警察本部長。 ◎警察本部長(久我英一) 自転車事故防止対策についてお答えをいたします。  まず、自転車の通行環境の整備に当たっては、議員ご指摘のとおり、公共施設、観光施設や公共交通機関等へのアクセスを考慮した上で、自転車道、自転車レーン等自転車専用の走行空間を連続的に整備し、ネットワークを構築していくことが必要であります。県警察では自転車専用の走行空間を整備するに当たり、交通事故防止の観点に加えて各種施設へのアクセスを考慮し、将来的なネットワークの構築を見据えて選定を行い、既に県内42路線について取り組みを始めているところであります。  例えば、みなとみらい地区においては昨年9月、横浜市と連携して国際橋周辺に自転車レーンを整備いたしましたが、今後、さらに観光施設や公共交通機関を結んで自転車専用の走行空間を整備することについて、横浜市と合意をしております。  県警察といたしましては、今後、他の42路線についてもみなとみらい地区と同様に、道路管理者と連携して計画的に整備を推進し、各地域において自転車専用の走行空間のネットワーク化に努めてまいります。  また、県内全域においてさらに整備路線をふやすなど、自転車通行環境の確立に向けた取り組みをより一層積極的に推進してまいります。  次に、自転車利用者に対する安全教育と違反者への指導、取り締まりについてお答えをいたします。  まず、自転車利用者に対する安全教育についてでありますが、県警察では昨年から、幅広い年齢層の自転車利用者を対象とした自転車交通安全講習、チリリン・スクールや、県警察が作成した教材を活用して学校の教師が児童や生徒に対しルールやマナーを教えるチリリン・タイムなど、新たな自転車交通安全教育を推進しております。  また、チリリン・スクールの受講者には自転車傷害保険と賠償責任保険が附帯するTSマーク加入時の点検整備費用の割引が受けられる制度を創設し、安全教育を推進する中でTSマークの普及促進に努めております。  今後とも児童や生徒のみならず、主婦、大学生、社会人などあらゆる年齢層を対象として自転車のルール、マナーを周知するとともに、自転車シミュレーターを活用するなど参加・体験・実践型の安全教育を強力に推進してまいります。  次に、ルールを守らない自転車利用者への指導、取り締まり方針についてでありますが、県警察では違反行為を認めた場合、現場で違反行為の是正や交通ルールの遵守について指導を行っているところであります。  一方、平成24年中に自転車利用者が第一当事者となった事故原因では、信号無視や一時不停止といった違反が約32%を占めております。県警察ではこうした実態を踏まえ、違反現場での指導、警告を一層強化するとともに、信号無視や一時不停止のほか酒酔い運転やブレーキのないピスト自転車の運転など、事故に直結する危険性の高い違反や、指導、警告に従わず違反行為を継続する悪質な違反については積極的に検挙するなど、指導、取り締まりを強化してまいります。  以上でございます。  〔河本文雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 河本文雄君。 ◆河本文雄議員 ご答弁ありがとうございました。  自席にて再質問と要望を行いたいと思います。  まず1点目なんですが、県が関わる農業の推進についてであります。  ただいまのご答弁ではかながわ農業サポーター事業などの推進により力を入れ、農業の理解者をふやしていくというところであります。大いに期待はしております。ただ、この事業の推進を図るには、やはり地域の実情によく精通した方、地元市町村などですが、そういった市町村との連携を強化していく必要があると私は考えておりますので、まずその見解を伺います。  もう一点は生物多様性の保全についてですが、生物多様性というのは、今、ご説明ありましたが、県民にとっては非常にわかりにくい面もあります。具体的に広報、PRしていくことが必要だと考えております。  県では、地域の団体が行う里地里山等の身近な保全活動に対して支援をされております。里地里山では、お祭りや農業体験に加え、生き物調査などを通じた生物多様性についての周知も行っていると聞いております。生物多様性の保全の周知に当たっては新たな取り組みも必要でありますが、このような既存の事業や取り組みを活用することや、関係市町村が連携していくことが効果的だと考えておりますので、その見解をお伺いします。  以上です。〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 農作業体験の場をふやす取り組みを進める上では、地元市町村との連携強化、これが必要ではないかということでありますが、まさにそのとおりだと私も思います。県民の皆さんが耕作する農地を確保するためには、やはり地域の意向を把握している市町村の協力、これが何といっても不可欠であります。そういったことをしっかりと見据えながら、今後もこの事業を推進してまいりたいと考えております。  以上です。〔環境農政課長(中島正信)発言の許可を求む〕 ◎環境農政局長(中島正信) 再質問にお答えいたします。  生物多様性の保全につきましては、県民の皆様や多様なセクターのご理解とご協力が必要であります。それをいただきながら進めていく必要がございます。そのため、環境農政局所管の里地里山保全活動や丹沢大山の自然再生などの事業を推進する中で周知を図っていくことはもとより、他部局が実施をいたしますさまざまな事業などとも広く連携を図りながら、周知、広報に努めてまいりたいと考えております。  答弁は以上でございます。  〔河本文雄議員発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 河本文雄君。 ◆河本文雄議員 ご答弁ありがとうございました。  最後に要望を行いたいと思います。  学校給食を通じた地産地消の推進についてなんですが、やはりこれは相模原市に県立相原高校があります。先ほどご答弁にありましたが、さがみグリーンですね、そういったものを高校生が生産、加工、販売、いわゆる六次産業なんですが、手がけております。私は、こうした食を大切にする心を、学校給食といいますと小中学校なんですが、県内の高校生ですね、そういった方すべてで取り組んでいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  それともう一点は、地域活性化の取り組みについてであります。  県内33市町村の貴重な歴史、文化等を次世代に引き継ぐことは私たちの責務であります。是非県として広域的な役割を強く望みたいと思います。  そして、あともう二点ありますが、自転車事故防止対策については、現在のTSマーク制度ではこの補償制度が非常に、補償額が低い。ですから、私はまだ十分だとは思っておりません。補償内容の充実と、例えば自動車の自賠責のように自転車にも強制的にというか、保険制度の確立を望みたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  最後になりますが、ある調査機関が毎年公表しています、1,000の市区町村を対象に全国3万人にアンケートを行った地域ブランド調査の中で、その土地の住みたい度を数値化した移住意欲度において、本県では100位の中に横浜市、鎌倉市、茅ケ崎市、逗子市、葉山町、箱根町、川崎市、横須賀市、相模原市、小田原市、藤沢市、11の市町村がランクインしております。私の住む相模原市は2年前、178位でしたが昨年は72位と、全国2位の伸び率でした。参考までに、伸び率1位はスカイツリーが完成した墨田区でありました。  相模原市の伸び率が上昇した主な要因は、東日本大震災後の地盤への信頼、メディア露出の大幅な増加、リニア中央新幹線の神奈川駅誘致、はやぶさのふるさと、活発な住宅開発などと思われます。こうした神奈川県の県内市町村、全国で注目されています。知事の強いリーダーシップで政策展開を強く望みたいと思いますので、よろしくお願いします。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。
    ○議長(竹内英明) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(竹内英明) ご異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は午後1時といたします。                  午前11時24分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-平成25年第1回-20130226-027300-質問・答弁-浦道健一議員-一般質問①社会問題への適切な対応について②観光と地場産業の振興に向けた取組について③箱根ジオパークについて④多部制定時制高校について⑤県営住宅の防災対策への支援の強化について》                   午後1時   再開  〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共89名 ○副議長(笠間茂治) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(笠間茂治) 質問を続行いたします。  浦道健一君。  〔浦道健一議員登壇〕(拍手) ◆浦道健一議員 皆さんこんにちは、浦道健一でございます。  議長のお許しをいただきましたので、私は民主党・かながわクラブ県議団の一員として、通告に従い、提言を交えながら順次質問をさせていただきます。  黒岩知事、教育長並びに政策局長におかれましては、明快で前向きなご答弁をよろしくお願いいたします。  また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間ご清聴のほどよろしくお願いいたします。  質問の第1は、社会問題への適切な対応についてであります。  まず初めに、非正規雇用者への支援について伺います。  県議会議員になる前、私は就業支援関係の職についていたこともあり、非正規雇用者の雇用対策の強化は私のライフワークとも言えるものです。今から2年ほど前に初当選をし、我が会派の一員として、また商工労働常任委員会の委員として、私は非正規雇用者の雇用対策の強化を常々主張してまいりました。まさにこの2年間、知事や県当局の方とさまざま議論し、県の考えを伺ってきたところであります。  しかし、2年間の議論を通して率直に感じることは、残念ながら県の雇用対策は非正規雇用者への対策ではなく、新卒者への対策に重点が置かれているということであり、非正規雇用者への対策にまだまだ取り組むべき余地があると考えます。  また、昨今の経済情勢を鑑みると、新卒者も数年後には非正規雇用という立場に置かれてしまうケースも考えられます。つまり、今後その分母は拡大する懸念があり、しっかりとした対策が求められています。  厚生労働省の就業形態の多様化に関する総合実態調査によると、非正規雇用で働く理由が、正社員として働ける会社がなかったという、不本意に非正規で働く人の割合は2010年で22.5%となっており、約10年間で8.5%上昇しております。よく知られているように、一旦非正規雇用になると希望の職業や正規社員につくことは非常に困難となり、非正規雇用の状態が長期化していきます。こういった不本意に、しかも長期間非正規雇用で働く方への雇用対策は喫緊の課題であり、本腰を入れて取り組む必要があるはずです。  ちょうど1年前になりますが、この本会議場における私の一般質問での質疑がきっかけとなり、急遽、非正規雇用者を対象とした、知事との対話の広場を昨年5月に開催していただいたことは非常に感謝をしております。この対話の広場では、若者の働き方をメインテーマとして、正規職員になる日を夢見て日々頑張っている方、雇い止めと称して解雇された方など、非正規雇用者や就業支援に関わる方などからさまざまなご意見をいただきました。知事も厳しい状況に置かれている方々と直に対話をし、その切実な声を受け止められて、心に響いたものが少なからずおありと思います。  当然ですが、こういった県民と直接語り合う場は開催することが目的ではありません。今後は対話の広場の結果を踏まえ、知事も答弁されていたように、県民の声を受け止めて県政に生かしていくことが重要となります。  そこで、知事に伺います。  対話の広場を開催し、そこで受け止めた県民の声が来年度の非正規雇用者の安定雇用確保の施策展開にどのように生かされているのかお伺いをいたします。  また、不本意に非正規で働き、厳しい状況に置かれている方々が増加している現状に対するご認識と、今後どのように非正規雇用者を支援していこうと考えているのか、ご所見をお伺いをいたします。  次に、青少年のネット依存への対応について伺います。  現代社会は高度情報通信社会と呼ばれ、パソコンや携帯電話、さらに最近普及してきたスマートフォンからいつでもどこでも気軽にインターネットに接続できる環境が整い、大変便利になっています。町なかや駅、電車内といったあらゆる場所で老若男女を問わず端末を片手にネットに興じる姿は、もはや現代日本のありふれた風景と言えます。  そのような中、特に青少年にとってスマートフォンなどの端末は必須のアイテムとなっており、それに伴いインターネットなどの利用もますます増加している状況です。  一方、長時間のインターネットなどの利用による生活習慣への影響も懸念をされています。インターネットなどが余りにも便利で、かつ身近な存在となってしまったことから、ネットをやめたくてもやめることができず、毎日、過度の利用で日常生活や社会生活に支障が生じるケースも報告されています。夢中になる余り食事や睡眠を十分にとらなくなるといった生活面、健康面への影響を初め、学業や仕事に集中できなくなる、あるいはインターネットに没頭して実生活に興味を失うなど、さまざまな弊害が挙げられています。このような状態は、ネット依存とも呼ばれており、早急な対策を求める声も上がっております。  また、ネット依存がさらに進み、依存症と思われる事例も報告されています。県内でも、依存症を専門に扱う横須賀市内の国立病院機構久里浜医療センターが平成23年7月より我が国で最初のインターネット依存専門診療を開始しており、全国から多くの患者さんが訪れていると伺っております。  このネット依存については、単にネットが好きなだけなのか、やめられないほどの状態なのか、その境界線が曖昧な面があり、どのように取り扱うべきか専門家の間でも議論があると伺っています。こうしたことなどから、我が国ではネット依存の問題に対していまだ本格的な取り組みが進んでいない状況にあり、また、本県においても、国の動向を見守りつつ、ということが基本スタンスとなっており、積極的に動き出すまでには至っておりません。  とはいえ、通話機能付超小型パソコンとも言われるスマートフォンが急速に普及している中にあって、インターネットの利用者や利用時間は今後も増加すると予測され、特に青少年をネット依存に陥らせないための対策は急務であると考えます。これらの対策は国が率先して行うべきものではありますが、国の動向を見守るだけではなく、県も取り組んでいく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  青少年のネット依存という新しい社会問題について、報道の現場に携わってこられた知事ならではのご見解があると思いますが、お伺いをいたします。  また、スマートフォンの急速な普及などで青少年のインターネット利用が常態化し、今後ネット依存が問題となることが予測される中、県としてもこれまで以上に国に対し働きかけるとともに、近隣都県ともよく連携し、ネット依存の弊害の普及啓発などの対策に取り組むべきと考えますが、あわせてご所見をお伺いします。  質問の第2は、観光と地場産業の振興に向けた取組について伺います。  先日、商工労働常任委員会の県外調査で、大分県にあるNPO法人大分一村一品国際交流推進協会や代表的な地場産業である焼酎の製造工場などに伺い、大分県では県、市町村、企業、関係団体などが一体となって観光や地場産業の振興に取り組んでいる姿を拝見いたしました。そもそもこれは、平松前大分県知事が県内市町村でそれぞれ特産品を育てていこうと一村一品運動を提唱したもので、国内生産シェア30%を誇る焼酎や関アジ、関サバ、温泉と芸術の町湯布院など、日本全国で知られる特産品や観光地を生み出すなど大変な成果につながり、タイ、ベトナム、カンボジアなど開発途上国などにも広まりつつあります。本県においても改めて、一村一品運動の精神や手法を観光や地場産業の振興の手本としていくことが必要との認識を持ったところです。  さて、本県でも、本県の伝統と風土に培われた物産の中から県民の皆様の推薦をもとに100品目を選定した、かながわ名産100選があり、観光振興や物産振興に一定の寄与をしております。また、かながわ屋や百貨店などで販売することで販路拡大に努めていることも承知をしております。  しかしながら、県民の皆様がこれらの名産をどれだけ存じ上げているのか、100選のうち10品でも知っておられる県民の皆様がどれだけおられるのか、そんなことを考えると、甚だ心もとない状況にあるのではないでしょうか。これは、かながわ名産100選が、必ずしも市町村の意向や地域の思いが反映されたものではなく、そのため、観光や地場産業の振興に向けた一体感のある取り組みにつながっていないためではないかと考えます。大分県のように県、市町村、企業などが一丸となって特産品等の知名度を高め、いわゆる「おらが町」を発展させようという熱意や一体感が感じられません。したがって、新しく産業労働局が生まれるこの機に県と市町村や地域ががっちりとタッグを組み、協力・連携し、地域がPRしたい産業や産品を支援し、観光や地場産業の振興につなげるべきであり、こうした一体感のある取り組みが結果として知事の言う経済のエンジンを回すことにもつながると考えます。  また、一村一品運動では、平松前大分県知事が地域の産品などを積極的にトップセールスし、知名度の向上に大きく寄与したとのことです。黒岩知事におかれても湘南ゴールドのトップセールスなどに取り組んでおられますが、知事ご自身の知名度を生かし、本県の地場産業や産品を県内、県外へより一層セールスしていただき、知名度向上や販路開拓などにつなげていただきたいと考えます。  さらに本県では、例えば富山県と交流・連携を進めておりますが、海産物など両県の類似した物産を組み合わせて両県でPRすることもできると考えます。このように、他県の同様の取り組みと交流・連携し、本県の物産と他県の物産をカップリングし、お互いの県でPRし合い、その効果を高め合うなど戦略的な取り組みをより進めていくことも必要と考えます。  そこで、知事に伺います。  観光や地場産業の振興を図るため、大分県の一村一品運動などの地域に根差した取り組みを手本に、より一層地域との密着度を高め、その取り組みを支援、掘り起こしていく必要があると考えますが、ご所見をお伺いをいたします。  また、積極的な知事トップセールスや他県との連携による戦略的なPRを展開し、本県の地場産業や産品の知名度向上や販路拡大を図るべきと考えますが、あわせてご所見をお伺いをいたします。  質問の第3は、箱根ジオパークについてであります。  初めに、認知度の向上等と県域を越えた連携について伺います。  ジオパークは、地質学─ジオロジーと公園─パークを組み合わせた造語で、地球活動の遺産を主な見所とする自然の中の公園のことであり、ユネスコの支援により2004年に設立された世界ジオパークネットワークにより、世界各国で推進をされております。国内でも日本ジオパークネットワークを中心に活動が行われており、昨年9月24日に開催された第15回日本ジオパーク委員会では、本県の箱根ジオパークが日本ジオパークに見事認定され、県内の活性化に向けまた一つ重要な地域資源が誕生いたしました。  本県も推進協議会の設立当初から関わり、今回の認定の際には知事も世界ジオパークに向けてやっていきたい、地域活性化の起爆剤にしたい、との意向を示され、19日の知事提案説明でも、箱根ジオパークの魅力アップに取り組んでいく、と力強く宣言されるなど、まさにこれからどのように取り組むのか、ここが重要となってきます。  しかし、私の率直な意見としては、ジオパークそのものがいまだ一般的に認知されていないのではないかと感じております。現在、国内においては25の地域が日本ジオパークに認定されております。中でも洞爺湖有珠山、糸魚川、島原半島、山陰海岸、室戸は世界ジオパークにも加盟、認定されております。しかし、これらいずれの地域にも共通する悩みとして、そもそもジオパークの認知度の低さがあるように感じられます。  今後、本県でも箱根、小田原、真鶴、湯河原の1市3町、教育機関、事業者、NPO、観光施設などと協力し、世界ジオパークの認定を目指してさまざまな取り組みが行われるものと承知しておりますが、その際には認知度を向上させることをまず対策の一歩とし、観光振興や地域の活性化に向けてしっかりとしたビジョンを持って取り組む必要があります。  また、この取り組みをさらに良いものとし、観光振興や地域振興に最大限活用するためには、静岡県で同時期に日本ジオパークに認定をされた伊豆半島ジオパークとの県域を越えた連携も目指すべきであると考えます。実際昨年、私が島原半島ジオパークを視察した際、関係者の方々から、箱根と伊豆が連携すればかなりの相乗効果を期待できるのではないかとのご意見も伺ったところであり、東北地方でも既に各地のジオパークが連携・協力し、ジオパーク展やフォーラムを開催するなどの取り組みを進めているところです。  そこで、政策局長にお伺いします。  箱根ジオパークの認知度の向上や箱根ジオパークを生かした地域活性化、特に観光振興に向けて今後どのように取り組んでいくのか、ご所見をお伺いします。  また、伊豆半島ジオパークとの県域を越えた連携も視野に入れて取り組むべきと考えますが、あわせてご所見をお伺いします。  次に、生命の星・地球博物館の活動と学校教育との連携について伺います。  箱根ジオパークが日本ジオパークに認定されたことを踏まえ、この新しい地域資源を県のさまざまな施策に有効活用していくことが重要となってまいります。そこで、学校教育の現場で積極的にこの資源を活用することができるのではないかと考えております。そもそもジオパークはその定義において、教育にも活用されていくものとされております。当然、教育局でもこの貴重な地域資源の活用方法を検討されていると思いますが、今後は実質的な施策を講じていく段階に入ったものと考えます。また、この先、本県が世界ジオパークの認定や地域活性化などに向けて取り組むに当たり、ジオパークに精通した若い世代を育てることも極めて重要となります。  一昨年、昨年と新潟県の糸魚川、長崎県の島原半島の両世界ジオパークを視察した際、印象に残っている言葉があります。それは、県の支援などが少ない、とのことでありました。そんな中、本県の箱根ジオパークでは、県立生命の星・地球博物館の館長が打診してスタートするなど当初から県も一緒になって取り組んだとお聞きしており、さすがは我が神奈川県であるとうれしくもあり、誇り高い話でもあります。また、現在、生命の星・地球博物館では国からの地域活性化交付金を活用し、箱根ジオパークを中心とした自然映像資料を製作していると伺っております。  しかし、今後は生涯学習という観点にとどまらず、積極的に学校教育に活用を図っていくことが重要となってきます。ジオパークの地質、地形、自然地理や歴史、文化などを学校教育に活用するとともに、校外学習、宿泊学習など体験学習の場に広げていくべきであり、一般的には少しなじみのない地学分野に対する生徒たちの興味を揺り起こすきっかけを作っていくべきと考えます。  そこで、教育長にお伺いします。  この箱根ジオパークという地域の財産を貴重な教材として、生命の星・地球博物館の活動を学校教育とも連携させながら、子供たちの自然や地域への理解を深めていく必要があると考えますが、ご所見をお伺いをいたします。  質問の第4は、多部制定時制高校について伺います。  旧港南台高校跡地には県内2校目となる多部制定時制高校を新設する構想であり、来年4月の開校を目指しております。地域の声としては、どのような学校ができるのか、また、全日制から多部制に変わることで地域住民への施設開放がどうなるのか、そこが関心の高いところでありますが、情報が不足していることから、いまだこれらの懸念は払拭できておりません。  開校まであと一年と差し迫っている中、県は多部制定時制高校に関する情報を地域の方々に積極的に周知すべきでありますが、新聞報道や地域情報紙などを通じ、例えば既設の多部制定時制高校は2年連続して入学試験の競争率が高く、ニーズが高い程度の情報しか伝わってこず、情報不足が否めない状況であります。そのため、これからは学校、生徒、保護者と地域の方々の認識差が生じないよう、十分な周知を積極的かつ丁寧に行う必要があり、この点について県として早急に対応すべきと考えます。  近年の定時制高校は、従来の勤労生徒の在籍割合は低くなっており、一方で、特別な支援を必要とする生徒、不登校経験を有する生徒の在籍割合が高くなっております。実際、平成22年度に開校した県内初の多部制定時制高校である相模向陽館高校では、生徒の半数が過去に不登校経験を有すると伺っております。そうした状況も踏まえて、教員については生徒一人一人の目線に沿えるような人材を集中的に配置し、生徒に寄り添った支援、指導を行うための研修をするなどきめ細かい配慮をされているとも伺っております。  来年4月に開校する多部制定時制高校においても、不登校経験を有する生徒などが多く入学されることも想定されますが、地域の方々に対しては、さまざまな悩みや事情を抱える生徒の学びの場であることがしっかりと伝わっておらず、そもそも新しい高校が開校することをご存じない方も多いように思われます。教育局では、新設されるこの多部制定時制高校について、地域と協働した教育展開を図るという方針をお持ちと伺っておりますが、このように地域の方々と認識差がある中で本当に連携や協働がスムーズに推進できるのか、非常に懸念をしております。  生徒が確かな学力に加え豊かな人間性を身につけていくためには、学校、家庭、そして地域が共通の認識を持ち、協力・連携し、支援していくことが重要であり、そのためにも地域の方々に対し積極的かつ的確に情報提供を行い、地域との調整を綿密に行っていく必要があると考えます。  そこで、教育長に伺います。  地域住民に対する周知が不十分であると言わざるを得ない現状ではありますが、今後どのように周知を図っていくのか伺います。  また、多部制定時制高校が地域に根差して共存共栄を図っていくことが必要ですが、地域の方々の関心度の高い施設開放を初め、どのように連携、協働を推進していくのかご所見をお伺いをいたします。  質問の第5は、県営住宅の防災対策への支援の強化について伺います。  大震災の発生に備えた地域住民の自助の取り組みを支援するため、昨年2月の一般質問で県営住宅敷地内への防災備蓄倉庫の設置や防災訓練を支援すべきと質問し、ちょうど1年が経過をいたしました。その際の県土整備局長のご答弁では、県は管理者の立場から、防災備蓄倉庫の設置、住民への防災訓練等について要望があれば協力していきたい、とのことでありました。  県営住宅にはおよそ10万人もの多数の県民の方が居住しておりますが、県営住宅は県全体の高齢化率より高齢化が進んでおります。そのためさまざまな課題が生じておりますが、とりわけ命に関わる問題として、防災対策と孤独死対策は喫緊の課題であると考えております。  孤独死防止対策としては、昨年度には、県営住宅等における支え合い活動モデル調査研究事業を実施し、団地住民みずからの共助の取り組みを支援するとともにモデル事業として他の地域の参考にしてもらうなど、対策に取り組んでいることは承知しております。  一方、県営住宅における防災対策への支援は、地域住民からの要望があれば対応していくという相変わらずかわりばえのしない待ちのスタンスであり、命にこだわる知事におかれては珍しくスピード感のない対応を、非常にもどかしく感じております。  昨年の質問時において、防災備蓄倉庫については県全体で222ある団地のうち50団地の自治会が設置しているとのことでありましたが、防災備蓄倉庫の設置率が約23%というのは決して高い割合ではないと考えます。防災は自助や共助が中心となりますが、住民などの自助、共助を支え、推進するためには必要な情報を積極的に提供していく必要があります。施設管理者である県としては、要望があれば協力するという待ちのスタンスではなく、積極的に事例の紹介や周知を図るなど、団地自治会による防災備蓄倉庫の設置の促進に一層取り組む必要があると考えております。  また、防災訓練の支援についても積極的に支援の周知を図るとともに、前回質問時に県土整備局長より実施するとのご答弁をいただいた団地自治会の防災対策の実態やニーズの調査の結果を踏まえ、具体的に防災訓練の実施や団地全体の防災機能の強化につなげる必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  前回の質問後の対応状況のフォローとして、その後1年間の県営住宅敷地内への防災備蓄倉庫の設置、及び防災訓練の支援状況についてお伺いいたします。  また、大震災が発生する危険性が高まっている中にあっては、団地自治会や住民等の自助、共助を支え、推進するために、周知も含めた積極的な支援に取り組む必要性があると考えますが、ご所見をお伺いいたします。  以上で私の第1回目の質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(笠間茂治) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 浦道議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、社会問題への適切な対応についてお尋ねがありました。  まず、非正規雇用者への支援についてです。  最初に、対話の広場でいただいた県民の声の来年度施策への反映です。  昨年5月、若者の働き方を考えるをテーマに開催しました対話の広場では、若者の雇用をめぐる厳しい現状などについて多くの率直なご意見をいただきました。私も、議論を通じて将来の働く自分をイメージするためのキャリア教育や、非正規雇用者の雇用の安定を図るための支援の必要性といったものを改めて強く感じたところです。  そこで、来年度実施する施策の中で、非正規雇用者への支援を充実することといたしました。  具体の例を挙げますと、これまで県は、企業実習やセミナーを通じて正規雇用を目指す、新卒未就職者等人材育成事業を新卒の未就職者のみを対象として実施してまいりました。今後は当事業において、新たに非正規雇用者を対象とした優先枠を設けていきます。また、将来に向けた職業観をしっかりと身に付けてもらうため、県内の大学と連携して出前労働講座を実施いたします。あわせて高校生のインターンシップを円滑に進めるため、アドバイザーの配置やキャリア教育の充実を図ってまいります。  次に、非正規雇用が増加している現状の認識と今後の姿勢についてです。  非正規雇用は正規雇用と比べて雇用が不安定で、将来の生活設計がなかなか描けないこと、賃金が上がらず経済的にも厳しい状況に置かれていることなどから、非正規雇用の増加は今後の社会経済基盤に大きく影響を及ぼす問題です。特に、不本意に非正規で働く方の安定雇用は重要な課題であると認識しています。  そこで、県ではこれまで正規雇用を希望する方々を対象とした就業支援や労働相談等を通じた労働環境の整備に取り組んできたところです。今後も引き続き横浜駅西口の、かながわ総合しごと館スマイルワークを中心に、国のハローワークと一体となって、非正規雇用者を対象に相談から職業紹介までの一貫したきめ細かな支援に一層力を入れていきます。  また、11月には非正規労働者対策強化月間を設け、街頭労働相談やホットラインの開設など、非正規雇用者が抱えるさまざまな課題に対応します。  さらに、今後、新たな企業の集積促進やライフサイエンス、ロボットなどの成長産業の集積を図るなど、経済のエンジンを回し、雇用の受け皿の拡大に向けて全力で取り組んでまいります。  次に、青少年のネット依存への対応についてお尋ねがありました。  インターネットは誰もが世界中から瞬時に情報を集められるとともに、さまざまな人たちと交流ができる大変便利なものであります。一方で、誤った情報や有害な情報が混在しているといった問題のほか、過度な利用により健康への悪影響や勉学への支障が生じる、いわゆるネット依存の問題もあります。  私はジャーナリストの時代から、インターネットにはこうした光と影の部分があると考えてきました。青少年が夢中になってインターネットで調べ物をしたり楽しんだりすることは、決して悪いことではありません。しかし、過度に利用が進み自分の意思でネットの接続がやめられない状態になりますと、健康面や日常生活を送る上で深刻な問題が生じます。  本県においては、これまでも小・中・高等学校それぞれの発達段階に応じてメディアリテラシー教育を実施し、特に高等学校では、情報の授業でネット依存による心身への悪影響などについて取り上げてきました。  ネット依存については、実態の把握や研究も進んでいないことから、国に対して、青少年の心身への影響の調査やネット依存に至るメカニズムの解明などを働きかけていきます。また、首都圏の九都県市でも青少年問題を協議する場においてネット依存を取り上げ、それぞれの自治体の状況や課題認識について把握し、議論することを提案していきたいと考えています。  県としても小中学生や保護者向けのリーフレットを作成、配付し、家庭の中で意識を高め、インターネットを正しく利用することを促していきます。  さらに、今年7月には青少年の健全育成を進める県民大会で青少年と情報化社会をテーマにパネルディスカッションを開催し、ネット依存についても高校生を交えて議論していきます。  こうしたことを通じて、青少年が情報化社会においてインターネットを自分自身で正しく使い、効果的に活用できるよう取り組んでまいります。  次に、観光と地場産業の振興に向けた取り組みについてお尋ねがありました。  まず、地域に密着した支援についてです。  本県は豊かな自然に恵まれ、各地域には多彩な歴史や文化が息づいています。こうした地域の資源は観光地としての魅力を高めるとともに、鎌倉彫、箱根寄せ木細工などの伝統的工芸品や、小田原の蒲鉾、大山の豆腐といった地場産品、地場産業を育んできました。その地域ならではの、物や味は多くの人を引きつけ、訪れる人を魅了しています。地場産品は観光地の大きな魅力の一つです。  そこで、県では毎年横浜高島屋でかながわ名産展を開催し、神奈川発の名産品を展示・販売するなどPRに努めています。特に昨年はそごう横浜店とも連携し、水のさとかながわづくりの一環として地ビール、地酒など水にちなんだ商品の販売促進にも取り組みました。  これらの取り組みとあわせ、県では、各地域で地域みずからがその個性と魅力を磨き上げていく取り組みを積極的に支援しています。例えば大山では、もみじのライトアップの時期に、料理研究家で栄養士の中山桜甫さんの協力を得て、地元の旅館、飲食店が地場産品の豆腐やキノコを使ったカレーなどの新メニューを提供いたしました。これは地産地消、医食農同源の観点から新しい大山名物を作ろうと県が呼びかけて、実現したものです。今後もこうした地域ならではの取り組みを支援するとともに、その魅力を積極的に発信し、地域の観光と地場産業をともに振興してまいります。  次に、私のトップセールスや他県との連携によるPRについてです。  毎年のかながわ名産展では私自身が会場に足を運び、名産品を積極的にPRしています。さらに、外国を訪れた際にも、例えばボトル入りの最高級の足柄茶や工芸品等を紹介し、現地の方々に大いに関心を寄せていただきました。  また、他県と連携して神奈川の名産品をその地で販売することは全国的な知名度の向上につながり、販路拡大の足がかりともなります。さらに、名産品を通じて本県の魅力を知ってもらい、神奈川を訪れていただく方をふやすこともできます。そこで、県では富山県との相互交流の一環として、富山で開催される物産フェアに横須賀海軍カレーなどの名産品を出展・販売しています。  今年4月の組織改正により、産業労働局に観光プロモーションを担当する専任の課長を配置します。この新しい体制のもと、今後は富山だけでなく多くの県と連携を図るとともに、引き続き私自身が先頭に立って、神奈川の観光や名産品を積極的にPRしてまいります。  最後に、県営住宅の防災対策への支援についてお尋ねがありました。  まず、この1年間の状況ですが、防災備蓄倉庫については団地自治会の設置したものが4箇所増えて54団地となっています。そのほか地元市町などが設置したものを合わせると、現在61団地に設置されており、全221団地のうち設置率は約28%となっています。また、県は防災訓練について、指定管理者を通じ、日ごろから団地自治会への指導や助言を行っています。さらに、指定管理者が防災訓練に参加して避難ばしごの使い方の講習会を行うなどの支援を5団地で実施しました。  次に、今後の団地自治会への支援についてです。  県は昨年、県営住宅における防災活動などの現状を把握するため、すべての団地自治会を対象にアンケート調査を行いました。その結果、3割近くの団地自治会が防災訓練を実施していないなど、防災活動に消極的な団地自治体があることが分かりました。そこで、県はそうした団地自治会への啓発と今後の防災活動の参考にしていただくため、すべての団地自治会にアンケートの調査結果を情報提供しました。また、このアンケートからは、多くの団地自治会が防災活動の強化に取り組んでいこうとしていることも分かりました。県としては、今後、地元市町や指定管理者とも連携し、団地自治会に対して防災備蓄倉庫の設置や防災訓練の実施を積極的に働きかけるなど、団地の防災機能が強化されるようしっかりと支援してまいります。  私からの答弁は、以上です。〔政策局長(江原正明)発言の許可を求む〕 ○副議長(笠間茂治) 江原政策局長。 ◎政策局長(江原正明) 政策局関係のご質問にお答えします。  箱根ジオパークについてお尋ねがありました。  まず、認知度の向上や観光振興等への取り組みについてです。  今回、箱根ジオパークが日本ジオパークに認定されたことを契機として、このエリアの新たな魅力を広く発信し、多くの人に訪れていただけるよう取り組むことは大変重要なことであります。  そこで、昨年9月の認定から2カ月間をキャンペーン期間として、シンポジウムの開催を初めテレビやラジオ番組での紹介、県のたよりでの特集など、PR活動に集中的に取り組んでまいりました。また、多くの人にジオパークの魅力を体験していただくことも大切であります。今も噴煙が噴き出す大涌谷や、江戸城の石垣の石を切り出した早川石丁場といったいわゆるジオサイトを歩いて体験するジオツアーを、箱根ジオパーク推進協議会や地元の観光協会を中心にして実施してまいりました。これまでジオツアーを34回実施し、さらにジオツアーのガイドを養成する講座も16回開催しました。  今後こうした取り組みに加え、新宿駅や横浜駅でPRイベントや、各ジオサイトの解説板や駅前の総合案内板の設置など、引き続きジオパークの認知度向上に取り組んでまいります。  また、地元の食材や資源を活用した名産品の開発、教育旅行の誘致などジオパークを生かした取り組みにより、地元市町や地域の方々と一体となって、地域活性化や観光振興につなげてまいります。  次に、伊豆半島ジオパークとの連携についてであります。  これまで伊豆半島地域とは、観光振興や防災対策などで協調した取り組みを行ってきております。ジオパークにつきましても、お互いに協力・連携することで双方の魅力アップにつながるものと考えております。今月7日には、箱根地域のガイド団体の会員が伊豆半島ジオパークを訪問し、現地視察や意見交換など交流を始めたところであります。今後ともPRイベントの共同開催など、伊豆半島ジオパークとさまざまな連携を図ってまいります。  私からの答弁は以上でございます。〔教育長(藤井良一)発言の許可を求む〕 ○副議長(笠間茂治) 藤井教育長。 ◎教育長(藤井良一) 教育関係についてお答えいたします。  箱根ジオパークに関連して、生命の星・地球博物館と学校教育との連携についてお尋ねがありました。  生命の星・地球博物館は、地球誕生からの歴史や生命の営み、そして神奈川の大地の生い立ちについて、地層や岩石、化石など貴重な資料の展示や調査・研究、学習支援などの役割を担っています。また、こうした学術的に貴重な資源が豊富であることに加え、箱根の玄関口に位置することから、ジオパークの魅力を紹介し、PRする上で大きな力を発揮することが期待されています。  そこで、箱根ジオパークの魅力ある四季折々の自然や動植物の生態、箱根火山の成り立ちなどを紹介するハイビジョン映像を、現在、作成しているところです。新年度はこのハイビジョン映像の上映に加えて、ジオパークの全体像を紹介する新たな展示も計画していきます。今回ジオパークに認定されたことは、博物館にとって来館者をふやす絶好の機会であると考えています。  また、ジオパークは教育資源としてもすぐれたものであり、博物館と学校の連携を深め、多くの子供たちが来館し、ジオパークについて学ぶことは意義深いものと考えています。そこで、火山の噴火を実験で再現する出張授業や、実際の地層に触れるなど体験し、楽しみながら学べる子供向け講座などをこれまで以上に充実していきます。また、新任教員を対象に行っている、授業力向上を目的とした標本の活用や身近な植物などの分類などについて学ぶ研修などを充実させ、より一層学校教育との連携を進めていきます。  こうした取り組みを通して、子供たちの興味、関心を高め、多くの子供たちが博物館に来館し、箱根ジオパークの自然や地域への理解が深まるよう取り組んでいきます。  次に、旧港南台高校の跡地に新設する多部制定時制高校についてお尋ねがありました。  多部制定時制高校は、不登校などさまざまな経験のある生徒が昼間の時間帯に、午前又は午後の半日の範囲で学ぶ定時制高校であり、自分のペースでじっくり学べることから希望者もふえております。  新設する高校については、これまで一昨年の設置の公表や基本計画の策定、昨年10月の設置計画の公表と、その都度自治会などを通じて設置の趣旨や特色などについてお話ししてきました。また、地元の方々からの要望にこたえ、個別に自治会などへの説明を行ったり、地域情報誌に新設する高校の情報を掲載していただくなど、広報活動に取り組んできました。  平成26年4月の開校に向け、これからはさらに丁寧な周知が必要であり、近隣の方々に直接リーフレットを配布するなど、きめ細かな広報に努めていきます。また、生活面での指導方針や学校の施設開放など地元の方にとって関心の高い情報について、改めて説明会を計画し、積極的に周知を図っていきます。  新設する多部制定時制高校は、地域との連携を重視し、地域の方と生徒がともに学ぶ学校教育を展開することを学校づくりの方針としています。具体的には、体験活動やインターンシップに地元の商店や企業の皆様にご協力をいただくことや、部活動への支援、地域の歴史や自然について学ぶ科目でご指導いただくことも計画しています。また、地域の方にグラウンドや体育館を活用していただけるよう学校施設開放を積極的に行うことはもとより、地元の方と生徒や保護者が一緒に学ぶことができる講座も設定していきます。  このような取り組みを充実させるためには、地域の意見を反映した信頼される学校づくりが重要ですので、地域の皆様と一緒に学校づくりを検討し、推進するための協議会も設置します。この協議会には地元の団体や商店街、スポーツ団体の方や区の関係者などに参加していただき、新年度の早い時期から設置したいと考えています。  こうした中で、新設する多部制定時制高校の特色を生かした学校施設の活用方法や生徒活動の支援について、地域と連携して、ともに歩む学校づくりを実現してまいります。  以上でございます。  〔浦道健一議員発言の許可を求む〕 ○副議長(笠間茂治) 浦道健一君。 ◆浦道健一議員 ご答弁それぞれいただきました。時間がございますので、自席からの発言をお許しいただければと思います。  何点かの要望と、再質問をさせていただきます。  まず、要望からです。  非正規雇用者の支援について要望させていただきます。  昨年、対話の広場を開催をいただいて、知事みずからそういった状況に置かれている方々の思いだとかそういった部分を直接お聞きになり、また、知事もみずから対話をされというところで、これをきっかけに本県の非正規雇用者への安定雇用の確保というところの施策が促進されるものと思っておりました。  先ほどのご答弁の中で、例えば未就職者用の優先枠を設けるといったところも含めて、それに関しては本当に大変感謝をいたす次第でありますが、まだまだできることもあるのではないのかなと思っております。  私の持論ではあるんですが、労働施策をしっかりと推進をし、雇用の底上げを図ることこそ、やはり我が県にとっての活性化につながるのではないかと考えております。したがって、もっと労働施策にも光を当てていただきたいなというふうに思っております。  この4月より商工労働局が産業労働局に組織再編をされ、新しい産業労働局に期待をしておりますが、知事、またそのとき思い出していただければと思うんですが、当初当局から示された案が「経済局」とされ、「労働」という文字消えていたんですね。その後、議論を重ねて最終的に局名に労働という文字は残りましたけれども、そもそ労働の名前が消えたということは、正直言ってショックというか、何というんでしょう、労働施策がちょっと見えなくなるのかなというような不安を私自身は一瞬受けたものですから、また残していただいたのは非常にありがたいな、また力を入れていただけるんだろうなというふうに思っております。  経済のエンジンを回すには、華やかな産業施策を推進することも必要だと思うんですけれども、エンジンを回すのは人であるということは、やはり間違いないかと思います。非正規雇用の対策というのは、やはりとりわけこの労働施策の中でも喫緊の重要課題でありますし、また、今回の補正予算で緊急雇用創出事業臨時特例基金の積み増しも計上されておりますので、ぜひともそれを十分に活用しながら、非正規の方々の雇用や就業支援にさらに取り組んでいただくことを強く要望をいたします。  次にもう一点、観光と地場産業の振興に向けた取り組みについて要望いたします。  知事も、地域のことは地域で決める、とおっしゃっておられますけれども、それには、や地域が元気であることが必要だと思います。地域が一体となってみずからの地域の観光や産業を盛り上げていこうとする活動が、例えば経済的自立といった効果もあるでしょうし、地域で活動する方々の気力、いわゆる生きがいの向上にもつながるのではないかと思います。  地域には経験豊富な高齢者の方が多数いらっしゃいます。自分たちが何らかの形で社会や地域に役立っているという自覚が生まれると、それがまた生きがいにつながるのではないでしょうか。もしかしたら、これが知事がおっしゃる健康寿命日本一を目指す取り組みにもつながっていくのかもしれません。  質問の中でも触れましたけれども、常任委員会の県外調査でお伺いをした、下町のナポレオンこと、いいちこを作られている酒造メーカーさんでは、大分県の一村一品の取り組みのもと、地域一体となって成長されたそうです。平成17年4月から大分県立総合文化センターのネーミングライツのスポンサーとなって、地域に恩返し、還元できているんだ、そういう機会をいただいているんだというお話を聞き、地域の皆様に育てていただいた、また地域で一体となって作り上げていっているんだという思いを私自身も強く感じ、伝わってまいりました。  当然、首都圏に位置する神奈川県と大分県では、さまざま事情は異なっておりますが、地域の方々が地元を大切にする思いというのは日本全国共通するものだと思います。このように、こんな思いを持って地域が一生懸命取り組んでいる、観光、地場産業、人、その他もろもろ、すべて県として引き上げていただき、支援していただいて、県内各地の地域活性化に尽力していただくことを要望をいたします。  では、1点再質問をさせていただきます。  県営住宅に関してでございます。  先ほど知事のご答弁の中で、積極的に支援をしていくというご答弁をいただきました。昨年の答弁では、要望があれば支援をするというところからいくと、一歩進んだ答弁なのかなというふうに思っております。その点は本当にありがとうございます。ぜひとも進めていただきたいと思っております。  再質問ですけれども、先ほど調査結果をご公表された中で、ちょっとお聞きをしたところによると、防災訓練を実施している団地自治会というのは約7割である、うち半数が団地外での実施であるということであります。災害発生時において実際経験が生かされるような実践的な訓練を行っている団地自治会は、まだまだ少ない現状だと思っております。しかしながら、県営住宅は高齢化が進んでおり、また、東海地震や首都直下型地震など大規模地震の発生が懸念されておりますから、高齢者などの避難誘導や、例えば防災倉庫に備蓄されている防災対策用の資機材を活用して実際的な訓練を行って、防災活動に必要な行動、知識、技術を身につけておくことが極めて重要と考えます。それがいわゆる減災にもつながってくると思います。  そこで、県も施設管理者として市町村の防災担当や防災関係機関などの協力を仰ぎつつ、県営住宅において自治会がみずから、より実践的な訓練を実施できるよう支援をし、その成果や課題を他の県営住宅に案内、周知していくことで、各団地自治会の減災への意識を高めることにもつながると思いますけれども、この実践的な訓練を実施できるような支援についてはどのようにお考えか、1点お伺いします。  以上です。〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(笠間茂治) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  団地の自治会の中での実践訓練がまだ非常に少ないということ、それは議員のご指摘は非常に重く受け止めたいと思っております。  確かに、備えあれば憂いなしということであります。実践的な訓練をどれだけしておくのかということ、これがいざというときには非常に大事なことになってくる。全くそういうことをしていないでいきなりとなった場合には、頭では分かっていても体が動いていかないということは当然あると思います。しかも、最近は団地の高齢化というものも進んでいるという中では、やはりそれは組織的に動いていかないとなかなか追いつかないだろうということは、議員ご指摘のとおりだと思っております。  そのため、県としては今後、地元市町や指定管理者とも連携いたしまして、団地自治会に対してより実践的な防災訓練を行っている団地の事例なども紹介しながら、県営住宅における防災活動をより効果的なものとなるよう、一生懸命働きかけてまいります。  以上です。  〔浦道健一議員発言の許可を求む〕 ○副議長(笠間茂治) 浦道健一君。 ◆浦道健一議員 ご答弁いただきました。  最後に県営住宅を取り上げさせて頂きました。昨日、栃木県でも地震が発生して、かなりの時間余震が続いておったのは、もう皆さんご存じかと思います。いつ起こるか分からないと言われている中で、昨年は要望があれば協力するといった、本当に待ちのスタンスだなと私は思っていたんですけれども、知事が今のように積極的にというご答弁をいただきましたので、本当にありがたいなと。  先日の代表質問のときの知事の答弁の中で、恩師の方のお話をされておりました。私が受け取ったのが、やはり杓子定規な対応をする行政は駄目だというふうにおっしゃっておられるんだろうなと私自身理解をしまして、知事、改めて県民・民間目線をお持ちだと、あのとき私、心の中で喝采をした次第でございます。だからこそ知事みずから変えることができるのではないのかなと思っております。  ぜひとも、本年は巳年でもございます。蛇というのは、何か脱皮しながら成長するというふうにお聞きしておりますけれども、今のご答弁で一歩進んだと思っておりますので、杓子定規な対応から一刻も早く脱皮をしていただいて、県民の目線いろいろな施策展開を図っていただければと強く要望して、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 △《本会議録-平成25年第1回-20130226-027301-質問・答弁-芳賀ようじ議員-一般質問①文化芸術の継続的・効果的な振興について②県民の防災リテラシーと地域の防災力の向上について③流域下水道施設の耐震対策について④健康診断の受診率の向上について⑤県民との協働で進める森林づくりについて⑥公立学校教員のメンタルヘルス対策について》   〔芳賀ようじ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(笠間茂治) 芳賀ようじ君。  〔芳賀ようじ議員登壇〕(拍手)  〔副議長退席、議長着席〕 ◆芳賀ようじ議員 みんなの党神奈川県議会議員団の芳賀ようじです。  議長のお許しをいただきましたので、我が会派の一員として、通告に従い、順次質問をさせていただきます。  知事、県土整備局長、保健福祉局長、環境農政局長、教育長におかれましては、明快なご答弁をよろしくお願い申し上げます。  また、同僚議員並びに先輩議員の皆様におかれましては、しばしの間ご清聴いただきますようよろしくお願いします。  それでは、質問に入ります。  質問の第1は、本県における文化芸術の継続的・効果的な振興についてです。  文化芸術が一部の高尚な人々のものであり、また教養として学ぶべきものであった昔と違い、今の日本の社会において、文化芸術という言葉はその指し示す範囲が非常に広範囲で、美術や音楽、映画、アニメ、ファッション、落語、歌舞伎など、文化芸術はここからここまでのものという定義も曖昧であるため、個人の主観によってその指し示す範囲が異なっています。言いかえれば、様々な文化芸術の許容範囲が存在していると言えるでしょう。  文化芸術の概念が大きく拡張してきていることは、注目すべき事実です。私の個人的感覚からすれば、AKB48もパティシエも、そのパフォーマンスや生み出されるスイーツに芸術性を感じるものであり、私が文化芸術だと感じる枠の中にそれらは入っています。  このように、現状の文化芸術の中にはコマーシャル的なものや興行の側面を持ったものもあり、行政が文化芸術を振興する場合に、特に現状のような財政難という厳しい状況では、その必要性と意義についてどう説明するのか、どう振興するのか、そもそも文化芸術を本当に振興する必要はあるのかと、県民の皆さんの中にも疑問を持たれる方がいるかもしれません。また、行政がどのようにコマーシャルな、又はノンコマーシャルな文化芸術と関わっていくのか、難しい判断を迫られていると私は思います。  私は、行政の文化芸術振興の必要性について否定的な考えを初めは持っておりました。しかし、今では文化芸術の振興の必要性について考えるときに、アメリカの経済学者のウィリアム・J・ボーモル、ウィリアム・G・ボーエンが共著した、舞台芸術 芸術と経済のジレンマという、アメリカにおける文化芸術振興についてさまざまな観点から分析し、行政と文化芸術についても言及した著書があるのですが、その中で、芸術が、自分自身の失敗が原因でないのに公的支援がなければ生き残れないとしたら、必要な支援は行われるべきであるという一説を念頭に置きます。  アメリカと違い寄附文化が余り根づいていない日本の社会風土では、行政の支援なしに、民間の寄附だけで文化芸術の多様性を保つのは困難ですし、市場原理の中を生き抜ける文化芸術だけで社会が豊かで文化的になるのは難しいと思います。むしろヨーロッパ型の、行政支援も文化芸術の多様性を保つための一つの手段として考える方が健全だと、私はあの一文を読んでから考えるようになりました。  現に国においても、東京都、沖縄県、大阪府においても、アーツカウンシルというイギリスで制度化されている、第三者機関を設けてプラン、ドゥー、チェック、アクションと言われるPDCAサイクルをもとにした継続的文化芸術振興を行うといった、いわゆるヨーロッパ型と呼ばれる手段がとられようとしています。実際に、東京都ではアーツカウンシルが設立されました。  文化芸術振興における行政の重要な役割は、公的支援がなければ生き残ることが難しいもの、例えばオーケストラやコンテンポラリーダンスや舞台芸術ですが、このような音楽の芸術性やダンスの先進性、県民の皆さんが文化芸術に触れる機会をふやすことを振興することです。行政が振興した結果、これらが社会に存在し続けることが公共益であると考えます。  なかなか普段生活していて、特にこの公的支援が必要な文化芸術が存在していることによる公益を享受していると感じられないのは否めませんが、行政がこれらを振興することによって社会における文化芸術の多様性が保たれ、必ずや社会に良い影響を与えていると信じています。  このような思いから本県の文化芸術振興の取り組みに目を向けると、今年度から文化資源を活用した地域の活性化、賑わいづくりの取り組みとして、横浜市と連携し、マグネット・カルチャー─マグカル事業をスタートさせました。先日、その皮切りとして、神奈川芸術劇場で知事や横浜市出身の俳優によるトークショーと、カナダのケべック州からアートサーカスで世界的に著名になったシルク・ドゥ・ソレイユ出身の7Fingersというグループによる公演が行われたのは記憶に新しいところです。  こうした文化芸術資源を活用して地域の賑わいづくりを行っていくといった取り組みは、短期的な利益や成果のみを追求するのではなく、中長期的なまちづくりの視点でも進めることが大切です。文化芸術の振興について継続的に取り組んでいくことは、神奈川でこれからマグカルを戦略的に進めていくためにも有効なのではないかと考えます。  昨年6月に制定し、施行された劇場、音楽堂等の活性化に関する法律、いわゆる劇場法では、「文化芸術の特質を踏まえ、国及び地方公共団体が劇場、音楽堂等に関する施策を講ずるに当たっては、短期的な経済効率性を一律に求めるのではなく、長期的かつ継続的に行うよう配慮する必要がある。」としています。文化芸術の振興について継続的に取り組んでいくことは、神奈川でこれからマグカルを戦略的に進めていくためにも有効なのではないかと考えます。  一方、さきにも述べたように、文化芸術に対する曖昧さ、分かりにくさが存在することは確かであり、振興において助成等で税金を注ぐ以上は、その効果をしっかりと検証しながら進めることが求められます。また、成果に対する説明が行われ、県民の皆さんが納得できなければいけません。県民の皆さんが納得できるように文化芸術振興に関する分かりやすい指標を作ることは高度であり、また、その結果が本当に目に見えて分かるものなのか、それとも公共益のような漠然としたものなのか、説明を行うには専門的知見や経験が必須であります。  そこで、少しでも曖昧さや分かりにくさをなくすために、文化芸術の支援、振興に向けた事業を第三者の目で客観的に評価し、次のステップにつなげていくことが不可欠であると考えます。新たな取り組みであるマグカル事業についても、限りある経費で最大の効果を生むよう工夫や努力を積み重ね、芸術文化振興に寄与し、地域の魅力として大いに発信していただきたいと思っています。  そこで、知事にお伺いします。  文化芸術の振興に向けた事業の継続的、効果的な展開についてどのように考えているのか、また、マグカル事業の今後の展開についてどのように考えているのか伺います。  質問の第2は、県民の防災リテラシーと地域の防災力の向上についてです。  「神奈川県地震災害対策推進条例」が昨年12月に成立をし、本年4月に施行されることとなりました。私は震災対策調査特別委員会の委員を約2年間務めさせていただき、さまざまな課題について調査をさせていただきました。今後はこの条例に基づく対策の推進が課題となりますが、条例は東日本大震災の教訓を踏まえ、県民の皆さんや事業者の皆さんの自助と共助の促進を図ることを目的としており、具体的な対策の着実な推進が望まれるところです。つまり、自分のことは自分自身で守る自助と、近隣の皆さんとお互いに協力し、災害などに対応する共助の備えを欠かさないようにしていこうということですが、ここで重要になるのが県民の皆さんの防災リテラシーです。  防災リテラシーとは、一人一人が地震などの自然災害から自分の身を守るための知識や技術をみずから習得し、活用する能力を表す言葉です。この防災リテラシーの向上について、震災対策調査特別委員会でも意見をさせていただきましたが、改めて、条例が目指す県民の自助、共助の促進のためには県民の皆さんの防災リテラシーの向上が極めて重要であると認識をしております。  とりわけ大規模地震発生時には、消防隊や警察などの公助の対応を待つ余裕はないと考えられますし、自助で対処できることも限定的になる可能性が高いため、地域の住民の方々がお互いに協力し合い、難局を乗り切っていく共助が非常に重要です。いざというときに備えた日ごろからの訓練や普段のコミュニケーションも、お互いに助け合うことには欠かせないものであります。そして、地域の生命線となるこの自主防災活動などの共助を担うのは、自治会などの地域のコミュニティです。  東日本大震災においても地域の住民の皆さんがお互いに声をかけ合い、避難、救助をし、危機を乗り切った事例もありました。しかし、都市化の進展に伴い居住地と仕事場等の遠隔化が進み、通学、買い物等の生活圏も拡大し、居住地域において生活している時間が都市化される前よりも短くなると同時に、核家族化や高齢者の単身住まいの増加などの家族形態の変化に伴い、今まで以上に近隣住民同士のコミュニケーションが減り、以前はどこの地域にもあったはずのコミュニティ力の弱体化が指摘されています。  地域コミュニティは、平常時の訓練や資機材の整備などの災害への準備、災害発生時には初期の消火や救助活動、情報伝達、避難所の運営など、地震災害に対応する共助の活動に大きな役割を担うものであり、地域防災の観点からも、地域コミュニティの活性化とコミュニティ力を復活させることは非常に重要です。こうした課題に対して、まずは県民お一人お一人の防災リテラシーの向上により、地域全体の防災対応力の向上につなげることが必要だと考えます。また、それによって、地震防災対策を軸として地域コミュニティの活性化が図られるといった好循環が生まれることも期待されるところであります。  そこで、知事にお伺いします。  地域における防災力の充実向上の観点から、まず県民の防災リテラシーの向上が重要だと考えますが、県は今後どのように取り組むのか伺います。  質問の第3は、流域下水道施設の耐震対策についてです。  平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災は、大都市を直撃した直下型の地震によって多くの人的被害をもたらすとともに、交通路、港湾施設等のインフラ施設、上下水道、通信、電気等ライフライン施設の機能を著しく損壊させました。また、平成23年3月に発生した東日本大震災は、マグニチュード9というこれまでの想定をはるかに超える規模の地震によって巨大な津波も発生し、北海道南岸から東北を経て関東南部に至る広大な範囲で多くのとうとい命を奪い、甚大な施設被害を発生させました。  下水道施設では、国土交通省のホームページによると1都12県に及ぶ範囲で下水処理場が129箇所、ポンプ場が112箇所、下水道管が約650キロメートル被災しており、本県においても被害が発生しました。  このような被害を目の当たりにして改めて大規模地震の恐ろしさを認識したところであり、さきにも述べましたが本県では条例を成立させましたし、全国的にも防災への関心が高まっている状況です。  東日本大震災では、県内で最大震度5強の揺れを観測しました。幸い大きな被害こそなかったものの、今後発生すると言われている東海地震や南関東地震、首都直下地震などの大規模地震では大きな被害の発生が懸念されています。  本県の流域下水道は、県民の皆さんの飲み水として欠くことのできない相模川や酒匂川の水質保全と、流域市町の生活環境の向上を図るため、複数の市町の枠を超え、広域的かつ効率的な下水処理を担うものであり、現在、両流域合わせて21市町の約200万人の県民の皆さんが利用しています。一たび大規模地震が発生し、下水道施設が被災して機能が停止してしまうと、未処理下水の流出による水道水源の汚染や生活環境の悪化、伝染病の発生が懸念されるほか、マンホールの突出や道路陥没による交通障害など、県民生活への影響は甚大なものになることが予想されます。流域下水道は多くの県民の皆さんの生活や健康に直結した最も重要なライフラインの一つであり、下水処理場や下水道管の耐震性の向上に一層努めていく必要があると考えます。  そこで、県土整備局長にお伺いいたします。  本県の流域下水道施設の耐震対策の現状と、今後どのように取り組んでいくのか伺います。  質問の第4は、健康診断の受診率の向上についてです。  先月の定例記者会見で、知事は健康寿命日本一を目指すと宣言され、本定例会の代表質問においても改めて、いのち全開宣言として食や運動などを通じた健康づくりに取り組むと答弁されました。これらの取り組みは県民の皆さんを健康で元気にし、生活の質の向上につながるものであります。大いに期待するところですが、どんなに健康に気を使っている人であっても病気になってしまうこともあるのが現実です。  このような現実にどう対処していくのか。それは、病気を早期発見できる環境を自分自身で整えることが一つの道であると考えます。病気の早期発見につなげるためには、定期的に健康診断を受診することが効果的であると思います。しかしながら、仕事の忙しさもあってか、働き盛りの世代における健康診断の受診率が芳しくないことを最近よく耳にします。  そのような中、健康診断を受けない社員とその上司はボーナスをカットするという、健康診断受診率100%を目指すとある企業の取り組みが報道され、最近、大きな話題になりました。また、さまざまな理由で健康診断を受診できず、手軽に1項目で良いので健診をしたいというニーズに合わせ、ワンコイン健診という、500円で手軽に健診を行って社会全体の健診率向上を実現させたいという会社も現れています。この簡易健診には法律上の乗り越えるべきハードルもあり、まだまだ課題は多くありますが、健康診断の受診率が芳しくないことに注目し、その解決に挑む姿勢は一定の社会的評価を受けていますし、このように社会問題を解決しようと取り組むことはソーシャルビジネスと呼ばれ、注目されているのも事実です。  このように、健康診断の受診率は社会問題化しており、受診率向上に向けて何らかの対策がとられる時期に来ているのではないかと考えます。  働き盛りの方々への健康診断の実施主体は市町村や企業、保険者などであって、県が直接実施しているものでないことは承知をしておりますが、健康診断を受ける人がふえることによって病気が早期に発見されることから、医療費の抑制にもつながるのではないかと考えます。また、本県が進める健康寿命を延ばす取り組みとしても合致するものであり、取り組むべき課題と考えます。  そこで、保健福祉局長にお伺いします。  県民の健康診断の受診率向上に向け、県としてどのように取り組んでいるのか伺います。  質問の第5は、県民との協働で進める森林づくりについてです。  「水源環境保全・再生実行5か年計画」も第2期目になり、特別対策事業として取り組みが進められている水源の森林づくり事業や地域水源林整備事業においても、間伐などの森林整備の成果が着実に現れてきていると認識しています。こうした水源の森林づくり事業が順調に進捗している背景には、超過課税をお支払いいただいている県民の皆さんの水源環境保全・再生へのご理解と、森林整備のプロである林業事業者の本県の森林整備へのご尽力があることは言うまでもありません。  一方で、県民の皆さんの善意、いわゆるボランティアによる地道な森林づくり活動があることも忘れてはいけません。昨年の秋、私は松田町寄地内の寄水源林を訪れたのですが、森のあちらこちらに本県の水源の森林づくり事業へ協力する旨が書かれた企業や団体の看板が並んでいるのが印象的でした。さらに、その日は協力企業の森林づくり活動が行われる日となっており、社員やその家族の皆さんが森林インストラクターの指導を受けながら、これから間伐作業を行うところでありました。水源の森林づくりにこのように大勢の皆さんが行動していただいていることに、そして作業のために集まった皆さんの笑顔に、ボランティアによる活動の重要性を確認できました。  そこで、このような森林づくりボランティアに参加した人数の推移を見てみますと、10年前の平成14年度は約6,400人でしたが、平成23年度は約9,400人と、参加者数は毎年ほぼ右肩上がりにふえており、県民の森林づくりに対する意識の高まりを実際の数値としても見てとることができます。私自身も横浜市金沢区におけるアマモ場再生や山下公園前の海の海底清掃活動の経験を通じて、生物多様性に資する豊かな自然環境を守っていくためには、行政だけでなく県民の皆さんのボランティアなどの善意を生かし、官民協働により積極的に活動することが必要だと考えております。森林づくりにおいても、まさに行政、県民、企業、団体が目的を共有し、協働で進めていくことが大切であることを認識いたしました。  また、水源の森林づくりは、県民の皆さん一人一人の命の源である水を育む重要な取り組みであり、幅広く県民の皆さん全体に関心を持っていただくことが重要であると考えています。森林づくりのボランティア活動に参加されている方々を見ますと、私もその世代ではありますが、若い世代の参加が少ないという印象を受けております。若い世代のパワーも生かして、県民総力を挙げて森林づくりに取り組んでいくことが必要であると感じております。  そこで、環境農政局長にお伺いします。  県民、企業、団体との協働による森林づくりの重要性をどのように考え、取り組んできたのか、また、若い世代の一層の参加を促進するためどのような取り組みを行っていくのか、あわせて伺います。  質問の第6は、公立学校教員のメンタルヘルス対策についてです。  昨今の教育をめぐる環境は、児童・生徒への指導や保護者対応の複雑化、多様化など大変厳しい状況があります。また、最近ではいじめや体罰による事件が全国的に注目されるなど、より一層厳しさが増しております。こうした中、ベテラン、若手を問わず、教員が受けるストレスは大きくなってきていると考えます。  平成24年12月に文部科学省が発表した全国の公立小中学校、高等学校、特別支援学校などに対して実施した調査結果に関する新聞報道によると、全国で平成23年度に鬱病などの精神疾患で休職した公立の小中学校、高等学校などの教員は、前年度より133人少ない5,274人でありますが、10年前の平成14年度の約2倍で、平成20年度から5,000人を超えており、依然として高い水準が続いています。  こうしたことの背景として、私は、児童・生徒への指導や保護者対応などに関する教員の負担が増して、ストレスがたまる一方で悩みを抱え込んでしまい、真面目な人ほど追い詰められていくという状況があるのではないかと考えます。教員が精神疾患で休職した場合等の児童・生徒への影響を考えると、非常に憂慮すべきことです。また、教員が休職してしまうとそのしわ寄せが新たに他の教員に対する負担増につながり、ストレス要因をふやすという悪循環に陥る可能性も否定できません。このため、教員が精神疾患にならないように、教員一人一人をしっかりサポートする総合的なメンタルヘルス対策が大変重要と考えているところです。  現代社会においては、特に教員に限らず、ストレスフルな生活環境や職場環境によって精神疾患を患う方が増加している一方で、精神疾患について理解もそれなりに進んできてはおりますが、私としては、メンタルヘルス対策として、教員がプライバシーを守られた環境の中で気兼ねなくカウンセラーに相談できる体制や、自分のメンタルヘルス不調に早く気がついて不調の初期のうちに相談することを促すメンタルヘルスチェックの実施などが必要と考えているところです。  そこで、教育長にお伺いします。  教育委員会においては、こうした公立学校の教員のメンタルヘルス対策についてこれまでどのように取り組んできたのか、また、今後どのような点を工夫、強化しようとしているのか伺います。  以上をもちまして、私の1回目の質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 芳賀議員のご質問に順次お答えしてまいります。  まず、文化芸術の継続的、効果的な振興についてです。  本県では、中長期的な視点に立って文化芸術の振興を図るため「神奈川県文化芸術振興条例」を制定し、「かながわ文化芸術振興計画」を策定して計画的、継続的に施策を進めています。また、各分野の専門家で構成する文化芸術振興審議会を設け、幅広い見地からご意見をいただいています。あわせて部会を設け、文化芸術活動団体に対する助成に当たって事業内容を芸術面から評価していただくなど、効果的な施策運営に努めています。  そのほか、県民ホール本館と芸術劇場では第三者評価の仕組みを導入し、次年度以降の事業や運営に反映しています。また、他の地域の劇場と連携して合同でオペラなどの作品を制作し、本県の劇場の知名度を効果的に高めるといった工夫も行っています。  次に、マグカル事業の展開です。  この取り組みは、文化芸術が持つ人を引きつける力を神奈川の魅力とするため、まず横浜の中区から西区にかけてのエリアをニューヨークのブロードウエーのようにしようという発想で始めています。劇場などのハード整備を優先するのではなく、エリア内で行われている演劇やミュージカルといった魅力的なソフトを発掘し、フェイスブックなどを使って情報を発信してブームを作っていく、そういう考え方を基本に、既存の資源を最大限に活用しながらマグカル事業を進めてまいります。  来年度からは、青少年センターでマグカル劇場を展開します。高校生を初めとする若者に演劇やダンス、音楽などを発表する場を積極的に提供し、青少年センターを若者文化の開放区にしていきたいと考えています。  また、この地域には県庁本庁舎を初め歴史的建造物が数多くありますので、文化施設はもとより、これらの魅力的な建物も発表の場として効果的に活用してまいります。  さらに、審議会からいただいたご意見、神奈川芸術劇場を広域交流拠点として県域ネットワークの形成と創造・発信活動を活発化すべきとのご指摘も踏まえ、横浜から県内各地へこの賑わいづくりを広げ、楽しさと魅力に溢れ、人を引きつけるマグネット神奈川を目指していきます。  次に、県民の防災リテラシーと地域の防災力の向上についてお尋ねがありました。  地域の防災力の向上には、地震災害から命を守るための知恵や対策を習得し、活用する、いわゆる防災リテラシーの向上が重要です。そのためには、県民一人一人の地震防災に関する意識や知識を高めていく取り組みが必要です。県では自助、共助の促進を目的に、県民や事業者の役割や対策を規定した「地震災害対策推進条例」を制定したところです。この条例の内容を分かりやすく周知することが県民の皆さんの防災意識の向上につながります。  そこで、県のたよりなど県の広報媒体の活用はもとより、民間の事業者と協力して地震防災に関する普及啓発を図るかながわ減災サポート店も活用し、幅広い周知に努めていきます。  さらに、次代を担う若者層の知識を高めるため、全公立学校へ配付した防災教育指導資料やDVD教材等の活用を促進するなど、引き続き市町村や教育機関と連携して、工夫を凝らした防災教育の充実にも努めていきます。  また、地域の防災力の向上には県民一人一人の防災意識の向上に加え、地域コミュニティにおけるきずなの強化が大変重要であります。そのためには地域の防災訓練などを通じて消火や救助、避難誘導などを具体的に体験し、共助の意識を広げていくことが有効と考えます。県は引き続き市町村が行う地域主体の防災訓練に対して支援を行うなど、県民の皆さんが参加できる訓練機会の拡大に努めていきます。  さらに、地域のきずなの強化に向けては、地域の防災活動を主導し求心力となる人材が必要です。そこで、防災リーダー人材養成講座の充実やボランティア団体との連携による人材育成事業の強化などを進めていきます。  県としては新たな条例に基づき、市町村と連携を図りながら、県民の防災リテラシーと地域の防災力の向上に努めてまいります。  私からの答弁は、以上です。〔県土整備局長(高村栄二)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 高村県土整備局長。 ◎県土整備局長(高村栄二) 県土整備局関係のご質問にお答えいたします。  流域下水道施設の耐震対策についてお尋ねがありました。  県では相模川と酒匂川の流域下水道において、4箇所の下水処理場と延長約170キロメートルの下水道管を管理しています。  施設の安全性を高めるため、耐震対策を着実に進めていくことが重要です。そこで、下水処理場にあるさまざまな施設のうち機能が停止すると県民の生活や健康への影響が大きい消毒処理施設や、その運転を制御する管理棟など25施設について、平成10年度から優先的に耐震化を進めてまいりました。そのうち現在までに20施設の耐震化が完了し、残りの5施設についても引き続き早期に耐震化を図っていきます。  一方、下水道管については、管の構造や地盤の状況をもとに行った耐震診断の結果では、管理延長のうち2割の約30キロメートルは耐震対策が必要となっています。また、これらの下水道管は古いものでは建設後40年以上が経過しており、一般的な耐用年数である50年を順次超え、その対策を実施していくことになります。このため今後、耐震対策については老朽化対策とあわせて計画的に進めていくこととし、特に緊急輸送道路に埋設されている下水道管から優先的に進めるなど、効率的に取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。〔保健福祉局長(菊池善信)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 菊池保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(菊池善信) 保健福祉局関係のご質問にお答えします。  健康診断の受診率の向上についてお尋ねがありました。  健康診断には、労働安全衛生法や学校保健安全法に基づき事業主や学校で実施されているもののほか、任意の人間ドックや保険者が40歳以上の者を対象にメタボリックシンドロームに着目して実施する特定健診などがあります。  平成22年における広い意味での健康診断や人間ドックの受診率は、全国で65%程度であり、働き盛りである40代、50代の男性では75%を上回っていますが、子育て世代である30代、40代の女性は60%前後と低くなっています。また、特定健診に限ると受診率は全国で約43%、本県は40%程度であり、特に国民健康保険に加入する働き盛りの40代男性の受診率は10%を下回る状況にあります。  生活習慣病は自覚症状がないまま進行するため、定期的な健康診断の受診は、自分の健康状態を把握することにより病気の早期発見につながることから、本県が目指す健康寿命日本一を実現するために欠かせないものです。特に、働き盛りや子育て世代の方々が病気になることは、その家族に与える影響も大きいことから、定期的な受診が望まれるところです。  県は、これまでもホームページやリーフレットにより受診勧奨の啓発を行うほか、保険者や産業保健関係機関、市町村などで構成する協議会を設置し、情報共有や意見交換を行ってきました。しかしながら、なかなか効果が上がらないことから、今後は有識者のほか健康づくりに先駆的な取り組みを行っている民間企業や自治体などから成る会議を設置し、受診しやすい環境づくりへの取り組みなど、受診率向上に向けた戦略的な取り組みを検討し、実行に移してまいります。  私からの答弁は、以上です。〔環境農政局長(中島正信)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 中島環境農政局長。 ◎環境農政局長(中島正信) 環境農政局関係のご質問にお答えします。  県民との協働で進める森林づくりについて、お尋ねがございました。  まず、県民、企業、団体と協働で進める森林づくりについてです。  県土の4割を占める森林は、豊かな水を育み、災害から私たちの生活を守り、安らぎを与えてくれる県民共有の貴重な財産です。これを県民の皆様と力を合わせて守り育てることは大変重要なことでありますので、県では全国に先がけて、昭和56年度から県民協働による森林づくりを開始し、平成9年度からは水源の森林づくり事業と一体で取り組みを進めてまいりました。これまでに延べ約2万7,000人の方が間伐や枝打ちを体験し、森林を大切にする意義は着実に定着しつつあると考えています。  また、企業や団体が県の水源林整備に対して寄附し実際に整備を行う、森林再生パートナー制度には、現在39の企業や団体が参加しており、社員やご家族に活動していただいています。  次に、森林づくりに若い世代の参加を促進するための取り組みについてです。  森林は長い期間、継続して手をかけていかなければ、その恩恵が失われてしまうため、手入れの大切さを将来に伝えていく必要があります。そのために、若い世代に森林を直接肌で感じ、関心を持っていただくことが大変重要であると考えています。  そこで、若いお父さん、お母さんの参加を募り、赤ちゃんの誕生に合わせて県が植えた苗木の成長を見守る、成長の森事業を平成19年度から開始し、好評をいただいています。これまでの参加人数は延べ5,300人を超え、子供の成長に合わせて苗木の成長を楽しみに、繰り返し森を訪れる方がふえています。今後は、実施場所を交通アクセスがよく地形も比較的緩やかな21世紀の森とし、森の中で参加者に直接苗木を植えていただくことでさらに森林への関心を高めてもらう取り組みを進めます。  また、水のさとかながわづくりでは、水源地域の住民と都市地域の住民の交流を進めるなど、都市部の若い世代にも森林や水源環境に対する理解の促進を図っているところです。県民共有の財産である豊かな森林を次世代に引き継いでいけるよう、若い世代への普及啓発に一層取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。〔教育長(藤井良一)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 藤井教育長。 ◎教育長(藤井良一) 教育関係についてお答えいたします。  公立学校の教員のメンタルヘルス対策についてお尋ねがありました。  県教育委員会が所管する公立学校の教員の数は、平成23年度2万2,563名で病気休職者は224名、そのうち精神疾患による休職者は148名となっており、病気休職者全体の6割以上を占めています。平成12年度の精神疾患による休職者が105名であったことと比較すると、大幅に増加しております。  教員が休職に入ると、年度途中のクラス担任や教科担任の交代など児童・生徒に大きな影響があるため、メンタルヘルス対策は重要な取り組みであると認識しています。しかし、この対策の難しい点は、相談することを知られたくないことや本人が心の不調を自覚しにくいことなどにあり、また、管理職も教員の心の不調のサインを見つけにくいということがあります。そこで、24時間常時受け付け可能な電話相談やカウンセラーによる面接相談など、プライバシーに配慮した相談しやすい仕組みを整え、周知に努めてきました。現在、県立学校の教員に対しては早目に心の不調に気がつくよう、カウンセラーが学校を順次訪問し、150項目の質問表により一人一人の心の状態を細かくチェックしています。  また、管理職に対しては、カウンセラーが教員の心身の状況を県立学校ごとに分析し、その結果を校長に伝えるとともに適切なアドバイスをしています。さらに、校長などが教員の心の不調を見逃さないための研修や、複雑なケースについてはカウンセラーに相談できる体制を整え、支援を行っています。  しかし、カウンセラーが学校を訪問し心の状態をチェックする取り組みは、1年間に実施できる学校の数に限りがあることや、対象が県立学校のみであることが課題となっております。そこで今年度、県立学校のすべての教員が、新たに作成した簡易セルフチェック表を活用して毎年心のチェックができるよう、体制の充実を図りました。今後このチェック表を活用した事業を小中学校の教員に拡大するとともに、管理職が積極的に問いかけをして相談などに適切に応じられるよう、研修などを充実してメンタルヘルス対策の強化に取り組んでまいります。  以上でございます。  〔芳賀ようじ議員発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 芳賀ようじ君。 ◆芳賀ようじ議員 ご答弁ありがとうございました。少し時間がありますので、1点再質問をさせていただきたいと思います。  文化芸術の振興に向けた事業の継続的、効果的な展開についてどのように考えているのかという部分での質問の中で、ご答弁として、審議会があって、部会もそこに設置をして今までやってきているということで、あと、劇場等については第三者機関を設けてやっているということなんですけれども、やはり成果に対する説明が行われて、県民の皆さんが納得をしているのかどうかというところについては、すごく私も今、疑問を持っております。  私が言わせていただいていたアーツカウンシルという取り組みは、やはりそのような部分を何とか解決しようということで、国においてもこれから取り組まれてまいりますし、東京都は設立をして、大阪府、大阪市は共同でこのアーツカウンシルを設置して取り組んでいくということなんですけれども、今後、本県においてこの審議会を、アーツカウンシルにしろということは言いませんけれども、しっかりと県民の皆さんに分かりやすい説明ができるような機能強化等々のことを考えているのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) お答えします。  文化芸術の継続的、効果的な振興についてのお話であります。  私も、こういった分野に対して大変関心が強い分野であります。そして今、ちょうど神奈フィルの応援とかということもやっておりまして、まさに県民のご理解がなければ進められないというところであります。  県民のご理解を得るためには、やはり情報をすべてオープンにする、みんなが分かる中でやっているという、これが何よりも基本だと思っております。こういった、神奈川県文化芸術振興審議会の中でもいろいろな議論がある、そういったものをできる限り皆さんに見える形で公開していきながら、私自身もできる限りいろいろな場を使ってご説明していきながら、神奈川のすばらしい芸術文化を守っていきたいと考えております。  以上です。  〔芳賀ようじ議員発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 芳賀ようじ君。 ◆芳賀ようじ議員 ありがとうございます。  アーツカウンシルの取り組みについては、大阪府と大阪市が共同で設置をしていると先ほども申しましたが、これはかなり画期的な話であります。ぜひ黒岩知事にも文化芸術振興で、横浜、川崎エリアについては各市長とも連携し、行政の枠にとらわれない形で、文化芸術振興についてはヨーロッパ型というか、アーツカウンシルのようなものを利用してやっていくということは本当にいいと思っております。  ただ、ちょっと困ったことに、ヨーロッパでも財政難ということで、ヨーロッパ型の行政が支援をしていくということについて見直しが余儀なくされているという事実もあります。ですので、アメリカのように寄附が余り根づいていないという日本なんですけれども、寄附税制も今、大分進展をしてきております。民間から民間へのお金の流れを作るために何ができるかを行政も考えていく、これは今後の重要な課題ということだと思います。  イギリスでアーツカウンシルが設立された動機の重要なもう一つに、政治の影響を芸術活動から排除するというような考え方も実はありまして、そういった部分も1度ぜひご検討いただけたらと思います。  そして、マグネット・カルチャーなんですけれども、代表質問で二重行政について我が会派から質問をいたしましたが、マグカル・テーブルという有識者を集めた会議を主催されておりまして、あくまでもこれはマグカルの部分を話し合うという会議なんですけれども、黒岩知事と林市長が連名で、テーブルマスターとして名を連ねられております。この部分では、かなり狭くて限定的なんですけれども、今、いわゆる二重行政と言われているような部分をお2人で解消されているのかななどということも感じております。  ですので、そういったことで、大阪府、大阪市などではしっかりと、行政の枠にとらわれないアーツカウンシルというような取り組み、これから取り組んでまいりますので、ぜひそのような部分を参考にしていただいて、神奈川でも、アーツカウンシルという名前にはこだわらなくてもいいんですが、審議会をもっと充実をさせていくですとか、そういった部分で県民の皆さんに文化芸術というものを分かりやすく伝えていく努力をしていただきたいと思います。  以上で私の質問を終わらせていただきます。  ご清聴ありがとうございました。 ○議長(竹内英明) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(竹内英明) ご異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時37分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-平成25年第1回-20130226-027302-質問・答弁-小野寺慎一郎議員-一般質問①国の補正予算への対応について②受援力の強化について③障害者に対する地域生活支援の推進について④アレルギー疾患について⑤元知事公舎建設予定地の売却について》                   午後3時1分 再開  〔議会局長報告〕  出席議員 議長共85名 ○議長(竹内英明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(竹内英明) あらかじめ時間の延長をいたします。   ─────────────────────────────────────── ○議長(竹内英明) 質問を続行いたします。  小野寺慎一郎君。  〔小野寺慎一郎議員登壇〕(拍手) ◆小野寺慎一郎議員 議長のお許しをいただきましたので、私は公明党県議団の一員として、通告に従い、提言を交えながら順次質問をいたします。  知事、総務局長並びに県土整備局長におかれましては、明確なご答弁をお願いいたします。  また、先輩、同僚議員の皆様には、しばらくの間ご清聴のほどよろしくお願い申し上げます。  質問の第1は、国の補正予算への対応についてであります。  昨年末の政権交代以降、安倍政権が掲げる3本の矢、すなわち大胆な金融緩和、拡張的な財政政策、そして成長に向けての戦略を市場が好感し、株高・円安が続いていることにより、輸出産業を中心に復調の兆しが見えてきています。しかし、実体経済をめぐる状況は依然として厳しく、一刻も早く地域経済を潤し、成長のエンジンを着実に回すことのできる政策が実行されなければなりません。  緊急経済対策を具体化した国の平成24年度補正予算には、防災・安全交付金や地域の元気臨時交付金など自治体の公共事業の創出につながるものが多く含まれており、それを受けて昨日提案されました県の補正予算(その2)にも、復興・防災対策や成長による富の創出、暮らしの安心・地域活性化に資する公共事業費予算が組み込まれております。我が党としても、防災・減災と景気対策という二つの視点から、老朽化した社会インフラの総点検と修繕・更新の前倒し実施の必要性などを強く訴えてきたところであり、この予算には大いに期待しております。  しかし、肝心なのは、この予算により地域の企業が利潤を上げ、そこに働く人々の収入がふえ、税の増収が図られるということであります。予算はあっても事業として発注するタイミングが遅れたり、元請から下請、孫請に至るまで欠損覚悟の出血受注を余儀なくされたりするようなことがあれば、地域経済の活性化にも日本経済の再生にもつながらないと懸念するところであります。  国の補正予算の執行に当たっては、県内経済への波及効果を確かなものにし、地域経済の活性化を図る対策が必要であると考えますが、今回の補正予算の約6割を占める県土整備局としてどのような方策を考えておられるのか、県土整備局長のご所見をお伺いいたします。  質問の第2は、受援力の強化についてであります。  受援力とは、読んで字のごとく、支援を受ける力のことであります。大規模災害により地域が壊滅的な被害を受けた場合、外からの支援が頼みの綱となります。自治体の職員や庁舎等にも甚大な被害が出て、その機能が壊滅あるいは大きく損なわれる状況において、いかに外からの支援を円滑に受け入れ、それを効果的に被災者支援につなげていくか、そうした外からの支援を受け止める能力が、すなわち受援力ということであります。  2月13日、14日の両日にわたり、県政調査のため、津波被災地の後方支援活動が災害救援のモデルケースとして全国から注目された岩手県遠野市を訪ねました。ここはまた、平成23年7月から1年7か月の間、神奈川県からのボランティアの活動拠点として大きな役割を果たした、かながわ金太郎ハウスが設置されたまちでもあります。  沿岸部まで車で1時間程度、ヘリで15分という地理的要件もさることながら、平時から沿岸市町村と協議体を作り、津波を想定した県レベルの防災訓練や自衛隊の大規模訓練を繰り返してきたことが、支援拠点として力を発揮できた大きな要因と言われています。今回も、地震発生の14分後から救援部隊の受け入れ体制を整え、その日のうちに自衛隊や警察が集結し、その後も緊急消防援助隊や医療チームなどが続々と到着しては沿岸被災地へと向かっていきました。まさに支援と受援の結節点として大きな役割を果たしたのであります。  その遠野市で、緊急消防援助隊大阪府隊の宿営地を、自衛隊とともに野営していた遠野運動公園から県立遠野緑峰高校体育館に移したというお話を伺いました。隊員の極度の疲労を見かねてのことであったようですが、果たして隊員の方々の手記や体験談を読むと、消防自動車での数十時間に及ぶ移動で仮眠もままならないまま、氷点下の気温と想像を絶する被害状況の中で消火、救急、救助活動を行うことがいかに過酷であったか、その文面からひしひしと伝わってまいります。  ちなみに、鹿児島県隊は68時間、往路、復路とも本県の総合防災センターで宿泊、休憩をとった熊本県隊は52時間かけて、それぞれ石巻市と仙台市に辿り着いています。  消防庁長官が緊急消防援助隊に出動指示を出したのは、今回の東日本大震災が初めてでした。発災日から88日間にわたり3万684人、延べ10万9,919人が派遣され、本県からも県内すべての消防本部から515隊1,715人もの部隊が出動し、救助、救急、さらには福島第一原子力発電所での危険な放水作業にも従事したと聞いています。また、他県の隊に対し備蓄食料を提供するなど後方支援も行いました。改めてそのご労苦に敬意を表したいと思います。  東日本大震災では、緊急消防援助隊の活動が広範囲かつ長期にわたったことから、食料や燃料の不足、部隊間あるいは被災地との通信手段の欠如、そして、先ほども触れました寒冷地での過酷な野営など、さまざまな課題が浮かび上がってきました。本県としても、大規模地震等により被災した場合に備え、今回の教訓を踏まえた緊急消防援助隊の受け入れ体制を整備する必要があると考えます。  そこで、安全防災局長にお尋ねいたします。  日常の消防活動は市町村の事務でありますが、大規模災害時における消防活動の総合調整は県の重要な役割であります。緊急消防援助隊との連絡体制やその活動を支える補給体制等について、現状でどのような課題があり、どのように改善しようと考えているのか、ご所見をお伺いいたします。  質問の第3は、障害者に対する地域生活支援の推進についてであります。  平成21年7月9日の朝刊各紙の切り抜きを、今でも時折読み返します。それは、在宅重度障害者等手当を大幅に削減する条例改正案を当時、私が所属していた厚生常任委員会で可決したという記事であります。手当の見直しは大変に難しい判断でありましたが、地域生活移行を進め、障害者が地域で安心して暮らしていくためには、さらにサービスの充実が必要であり、いわば現金給付から現物支給へ転換するのだという考え方に立って、経過措置期間の修正を加えた上で賛成の議決をいたしました。賛成した以上、現金給付にかわる施策が具体に進んでいるのか否かをチェックし続けることは私たちの責任です。昔の記事を読み返すのは、みずからの意識の風化への抵抗でもあります。  さて、県では在宅重度障害者等手当の見直しとあわせて、平成22年度から、かながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱に基づき、障害者の地域生活支援施策の充実を目指し、新規事業や既存事業の拡充を実施してきました。平成22年度、23年度は、手当の見直し額に比べプログラム大綱に基づく施策が予算的にも極めて不十分という感を否めませんでしたが、平成24年度においては手当見直し財源の活用額を6億円程度増額する中で、重度障害者医療費助成制度の精神障害者1級への適用拡大や、特別支援学校のスクールバスの増車を図っていただいたことは評価いたします。  ところが、今回の緊急財政対策においては、プログラム大綱で充実を図った補助事業を含め、障害者の地域生活を支えるための幾つもの重要な事業が、市町村への交付金化の検討といった形で見直し対象になっています。  例えばグループホーム等運営費補助、これなしに、国の制度による報酬だけでグループホームを運営することは困難であり、地域生活移行の受け皿がなくなります。  そして障害者地域生活サポート事業や障害者地域活動支援センター事業費補助、これらはさまざまな異論がある中で民間障害福祉施設や地域作業所の運営費補助を廃止し、市町村を基本とした事業の組立に改めてからまだ数年しかたっておりません。ようやく事業が定着し、市町村における理解が浸透してきたところであります。  障害福祉サービス等地域拠点事業所配置事業はかながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱で新たに取り組んだ事業であり、これまで経管栄養の医療的ケアが必要なために短期入所を利用できなかった障害児の家族から、この事業ができて初めて短期入所を利用することができたという声が県に届いていると聞いています。  障害者歯科診療体制推進事業費補助は、治療中おとなしく口を開けていることができないために虫歯になっても十分な歯科治療を受けられなかった障害児者が、適切な歯科治療を受けられるようになった事業です。  地域就労援助センター運営費補助は、神奈川県が国に先がけて障害者の就労支援の拠点を各圏域に整備していった事業で、障害者雇用促進法の障害者就業・生活支援センターのモデルになった事業です。  補助金も交付金もそれぞれ良し悪しはありますが、私は、こうした県が強い意思とリーダーシップをもって進めてきた事業は、市町村にもその理念や趣旨を貫いていただく必要があると考えております。そこに交付金という手法がなじむのかどうか、よくよく考える必要があります。もし交付金化を目指すのであれば、県がこれらの事業を始めた目的をしっかり認識し、市町村がこれまでにも増して障害者支援に取り組みやすくする方向で検討するよう申し上げておきます。  介護・措置・医療関係費の増大や障害者自立支援給付費等県費負担金が突出して伸びていることなどは承知しておりますが、プログラム大綱に基づいて障害者の地域生活支援を充実させることは、手当を見直した時の県民との約束であります。障害者が地域で安心して生活ができるよう、必要なサービスを広げていかなくてはなりません。  そこで、知事にお尋ねをいたします。  在宅重度障害者等手当を見直し、プログラム大綱の取り組みに着手して3年が経過しようとしておりますが、この間、障害者の地域生活を支援するサービスはどのように広がってきているのでしょうか。地域生活に移行した障害者の状況も含めて、知事にお伺いいたします。  質問の第4は、アレルギー疾患についてであります。  初めに、教育現場における食物アレルギーへの対応について伺います。  近年、さまざまなアレルギー症状を抱える子供たちが増加してきております。我が会派は以前から、アレルギー疾患を持つ児童・生徒、特にアナフィラキシーショックを起こす恐れのある児童・生徒に対しては、教育現場において一人一人の状況に応じたきめ細かな対応を行う必要があると主張してまいりました。これを受けて本県では、アナフィラキシーを有する児童・生徒の実態調査を行うとともに、学校において児童・生徒に適切に対応するための個別対応マニュアルを作成するなど、アレルギー問題には積極的に取り組んできたと承知しております。  国においても平成20年に、我が党の主張に基づき、アレルギー疾患のある子供への対応指針をまとめたガイドラインが小・中・高校・幼稚園向けと保育所向けに、それぞれ文部科学省と厚生労働省が監修して作られています。ガイドラインでは、子供のアレルギー情報と対応を学校や保育所の教職員など関係者全員が共有し、緊急時にはショック症状を和らげる自己注射薬、エピペンを本人にかわって教職員や保育職員が使用するなどの対応も促しています。  しかし、こうした中にあって、昨年12月に東京都調布市の小学生が、給食の際にアレルギーの原因食物を摂取したことでアナフィラキシーショックを起こし、死亡するという大変に痛ましい事故が起きてしまいました。なぜ子供の命を守ることができなかったのか、二度と同じ事故を起こさないためにも、改めて基本中の基本を確認する必要があります。  まず、せっかくのガイドラインが十分に浸透しているか、もしくは活用されているか。ガイドラインを的確に解説できる専門医も、実は多くないのだそうです。エピペンを打つタイミングも、診断力の高い医師でなければ適切な指導はできません。ある地域では、アレルギーに精通している医師にかかっている患者の保護者がその専門医による研修を提案した際、地元の学校保健医に依頼するのでと断られたという話も聞きました。また、研修を行っても参加するのはモチベーションの高い人だけで、教職員全員が意識や認識を共有できていない場合が多い。  さらには学校と救急を担う消防との連携について、その学校にはアナフィラキシーショックを起こす恐れのある子供がいるという情報を共有し、事前に連携を図るよう、文部科学省、厚生労働省、そして総務省消防庁から依頼や技術的助言という形で徹底が図られています。場合によってはドクターカーやドクターヘリを要請するなど適切な対応も可能となるのですが、なぜか教育委員会も消防署も消極的なところが多いと聞きます。  調布市の事故についても、給食でのアレルギー食物の除去に注目が集まっていますが、エピペンの注射が遅れるなど、今、列挙したさまざまな問題点が重なって起きたとも言えるでしょう。  本県では、個別対応マニュアルの作成と周知にとどまらず、アレルギー問題に先進的に取り組むNPOと協働して研修を実施しています。そこでは教職員等が緊急時を想定して、アナフィラキシーショックへの対応方法について実習等を通して学んでいると承知していますが、真に適切な対応を行うためには教職員全員の共通理解が何よりも重要と考えております。  そこで、教育長にお尋ねいたします。  このたびの調布市の事故を踏まえ、県教育委員会として、これまで実施してきたアレルギー研修の効果をどのように捉え、今後の研修をどのように実施して同様の事故の発生を防止していくのか、教育長のご所見を伺います。  また、今回の事故では救急との連携にも課題が残ったと聞いています。教育現場と救急を担う消防との連携も重要と考えますが、あわせて教育長のご所見を伺います。  次に、アレルギー疾患に対する県の取り組みについてお尋ねいたします。  アレルギー医療の一番の問題は、今、受けている治療が適切なのかどうか患者自身に分からないことだと言われています。気管支ぜんそくも、1980年代までは発作が起きたらそれを止めるという対症療法が主体でしたが、1990年代からは、長期にわたる継続的な管理によって発作を起こさせないようにする治療へと、考え方が大きく変わってきました。サッカーの岡崎慎司選手、ラグビーの栗原徹選手、スピードスケートの清水宏保さんや女子バレーの大山加奈さん、競泳の鈴木大地さんなどは、ぜんそくをコントロールしながら活躍する、あるいは活躍してきたアスリートとして有名ですが、一方で、いまだ片時も吸入器─ネブライザーを手放せずにいる患者さんも多くいらっしゃいます。  また、ぜんそくの長期管理薬として有用なステロイド吸入薬─ロイコトリエン拮抗薬は必要とする人の二、三割しか使用しておらず、また、処方はされていても正しく使うことができずに症状が悪化、薬価が超高額な新薬に移行せざるを得なくなった患者さんも少なくありません。  アレルギー疾患に関しては、徐々に発症機序、悪化因子の解明などの研究が進みつつあるものの、その免疫システムや病態についてはいまだ十分に解明されておりません。アレルギー疾患ほどその治療の方法や質にばらつきがある疾病はないと言われるのも、こうした事情によるものと考えます。アレルギー学会の指導医でも、最新の標準治療を行っているとは限らないというのがアレルギー医療の現実です。  県では、医療圏ごとにアレルギー専門医療機関の整備を進めていると承知しておりますが、県民がその症状に応じ適切なアレルギー治療が受けられるよう、医療体制が整備されるとともに、医療機関ごとの治療内容や実績などの情報も求めたいところです。  一方、本県のアレルギー対策に係る研修等の事業はNPOとの協働事業ということで、すべての財源をかながわボランタリー活動推進基金21とNPOの拠出に頼ってきました。本来、アレルギー疾患に関する正しい知識の普及啓発は保健医療行政の役割であります。来年度をもって当該NPOとの協働事業が終了することから、県として、今後アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に関する啓発、並びに知識の普及等についてどのように取り組んでいくのか、明確な方向性を打ち出すべきと考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  県として、今後、アレルギー疾患に関する正しい知識の普及啓発や、患者やかかりつけ医をより専門性の高い医療機関につなぐための情報提供等が必要であると考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。  質問の第5は、元知事公舎建設予定地の売却についてであります。  県は緊急財政対策に取り組む中、中区山手町の元知事公舎建設予定地について、他の県有地と同様に本年2月1日、一般競争入札に付し売却したとしています。  この元知事公舎建設予定地につきましては、昨年2月の代表質問において、我が会派の鈴木議員から黒岩知事に対し、知事公舎建設の必要性を問うとともに用地の売却について質問したところ、知事は、県の財政状況等を総合的に考えれば知事公舎を建設する状況になく、計画は中止、用地も速やかに売却の手続を進める旨の答弁をされました。この県有地については、知事公舎の建設を中止したとはいえ一等地でもあり、県民の関心は高いものと理解していますが、行政財産から普通財産に移行した後はいわゆる看板が外れ、他の県有地との区別がつきにくい状態になっておりました。  そこで、総務局長にお尋ねいたします。  県は入札結果についてホームページ上で公表しましたが、県民の関心が高く、少なくとも県議会で議論になった物件については、その処分の内容や結果の公表について特段の周知が必要であると考えますが、総務局長のご所見を伺います。  以上で私の第1回目の質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 小野寺議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、障害者に対する地域生活支援の推進についてお尋ねがありました。  県は平成21年7月に策定した、かながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱に基づいて、障害者の地域生活を支える仕組みづくりを進めています。この3年間で障害者、グループホーム等サポートセンターの設置、医療的ケアや精神障害に対応できるヘルパーの養成、障害福祉サービス等の地域拠点事業所の配置、重度障害者医療費助成の精神障害者への適用拡大などさまざまな事業に取り組んできました。これらの取り組みにより、この3年間で住まいの場であるグループホーム、ケアホームの利用者数は2割の増、身体介護などを行うホームヘルプサービスの利用者数は3割の増、家族のレスパイト─休息のためにも重要な短期入所の利用者数も3割の増となっています。  また、精神障害者の医療費助成については、昨年度末の12市町から、平成25年度中に30前後の市町村に展開できる見通しとなっています。  さらに、障害児の通学負担の軽減を図るため、特別支援学校のスクールバスについても昨年度に引き続き更なる増車を行います。  こうしたサービスの充実とあわせて、福祉施設への入所から地域生活への移行を進めることが、プログラム大綱の大きな目的です。直近の3年間では、約200人の方が施設入所から地域生活へ移行しました。地域生活移行後の住まいの場は、8割がグループホーム、ケアホームとなっています。今後も障害者の地域生活移行をさらに推進し、グループホームを初め、必要な障害福祉サービスが必要な人に行き届くよう、障害者の地域生活支援の充実に努めてまいります。  次に、アレルギー疾患に対する県の取り組みについてお尋ねがありました。  アレルギー疾患は全人口の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患していると言われており、症状によっては死に至ることもありますが、適切な治療や生活環境の改善によりコントロールできるとされています。  アレルギーの患者や家族の方にとって、予防や症状の軽減に関する正しい知識、また適切な医療機関に関する情報が重要です。こうしたことから、県のホームページでアレルギー疾患に関する情報提供を行うほか、各保健福祉事務所において相談、支援を行っています。また、アレルギー疾患専門の医療体制として、中核的医療機関を2機関、地域における専門医療機関を県内すべての二次保健医療圏において29機関指定し、その情報を県民や医療機関に提供しています。  さらに、かながわボランタリー活動推進基金21を活用して、NPO法人と協働で保育士等を対象とした研修や、県主催で保健師等を対象とした講習会を実施しています。  加えて、ぜんそくの発作や急激なアレルギー反応が起きたときに、かかりつけ以外の医療機関でも迅速かつ適切な治療を受けられるよう、患者本人の具体的症状や治療薬等を記入できる携帯用カードを作成、配付しています。  来年度もアレルギー疾患の正しい知識の普及と適切な情報提供を行うため、ホームページ等による情報提供の充実やNPO法人と協働した研修、また県主催による講習会等を継続して実施してまいります。  私からの答弁は、以上です。〔県土整備局長(高村栄二)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 高村県土整備局長。 ◎県土整備局長(高村栄二) 県土整備局関係のご質問にお答えします。  国の補正予算への対応についてお尋ねがありました。  県土整備局としては地域経済の活性化を図るため、ゼロ県債、今回の補正予算、25年度当初予算を切れ目なく執行します。県内の建設業は依然として厳しい経営状況にあることから、最低制限価格率の上限を引き続き90%とすることに加え、すぐれた技術力や社会貢献への意欲を持つ地域の中小建設業者に配慮する方策を検討しているところです。  具体的には、補正予算の執行に当たり、まず、地域経済への効果が速やかに表れるように早期の発注に努めること、また、過去の工事成績が優良なことや県との間で災害時の協力協定を締結していることを入札の参加条件の一つとする工事の発注を積極的に行うことなどを考えています。さらに、現場の技術責任者が現在は工事を1箇所しか担当できませんが、技術者不足に配慮し、一定の条件のもと2箇所兼務できるようにすることなど、柔軟な対応を検討しています。  こうしたさまざまな取り組みを通じ、この補正予算が地域の経済を活性化し、成長のエンジンの起動を支えることができるよう取り組んでまいります。  私からの答弁は、以上です。〔安全防災局長(蛯名喜代作)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 蛯名安全防災局長。 ◎安全防災局長(蛯名喜代作) 安全防災局関係のご質問にお答えします。  緊急消防援助隊の受け入れ体制についてお尋ねがありました。  地震などの災害に備えて、県では市町村の消防防災力の充実強化を支援し、また、消防の相互連携強化の取り組みを進めています。しかし、大規模地震など県内の消防力だけでは対応できない災害では、全国から緊急消防援助隊の応援を求めることとなり、その受け入れ体制の整備が重要です。  緊急消防援助隊の応援を受ける場合には、県災害対策本部の中に置かれる消防応援活動調整本部が中心となって援助隊の活動調整を行うこととなります。その際、正確に被害情報を把握し、限られた援助隊を効率的に投入するためには、県と援助隊や県内消防本部との間の連絡体制の確保が課題となります。  現在、消防救急無線の多機能化等を目指したデジタル化が、平成28年5月をめどに全国で進められており、県内市町村でも先月から整備に着手しています。その一環として、安全防災局内に援助隊等と直接連絡のとれる通信機器を設置することにより、連絡体制の強化を図ってまいります。  次に、緊急消防援助隊は被災地消防本部の指揮下で活動を行いますので、物資や燃料の補給などの支援は原則として被災市町村の消防事前計画に基づき行われますが、補給体制のより一層の充実が課題となっております。そこで、県では今年度創設した市町村地震防災対策緊急推進事業により、市町村の物資備蓄等に対する支援を行っています。  また、県としても広域防災活動拠点など11箇所に援助隊用の食料等の備蓄を行っているほか、宿泊・休憩スペース、ヘリポートも備えています。さらに、昨年8月には総合防災センターに備蓄燃料の保管庫を整備したところです。  こうした県の備蓄も含め、今後とも市町村と連携して補給体制の整備を進め、緊急消防援助隊の円滑な受け入れに備えてまいります。  私からの答弁は、以上です。〔総務局長(中島栄一)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 中島総務局長。 ◎総務局長(中島栄一) 総務局関係のご質問にお答えします。  元知事公舎建設予定地の売却についてお尋ねがありました。  元知事公舎建設予定地については、平成9年に用地を取得しましたが、その後の財政状況から知事公舎の建設を凍結をしておりました。昨年2月には、本県の財政状況は知事公舎を建設する状況ではないこと、災害時の対応についても現在の借り上げ公舎で初動体制が確保できることなどから、知事公舎建設予定地の売却を行うとの知事の方針決定を受けたところです。  その後、売却に向け、境界確定や権利関係の整備など具体的な調整を進め、この2月に入札を実施いたしました。  入札に当たっては、緑地率や高さ制限など地元のまちづくりの自主的ルール山手まちづくり協定の地域であることなども入札調書に明記をし、地元にも配慮を行っています。入札の結果、野村不動産株式会社が10億3,200万円で落札し、去る2月18日に売買契約を締結したところです。  こうした県有地の売却に係る入札結果は県のホームページに掲載し、落札者や落札額などの詳細を公表しております。また、売却後に市町村による公共的な利用が予定されているような県有地などについては、入札等の結果の周知方法についてさらに検討してまいります。  私からの答弁は、以上です。〔教育長(藤井良一)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 藤井教育長。 ◎教育長(藤井良一) 教育関係についてお答えいたします。  教育現場における食物アレルギーへの対応についてお尋ねがありました。  今回、調布市で発生した食物アレルギーによる児童の死亡事故を受けて、子供たちの命を守るためには緊急時の救命措置を適切に行うことが、いかに重要であるかを改めて認識いたしました。  県教育委員会では、平成21年度から毎年、教職員が食物アレルギーへの理解を深め緊急時に適切な対応が行えるよう、NPOと協働して研修事業を実施しています。この研修では、アナフィラキシーショックの救命措置として有効なアドレナリンの自己注射薬、いわゆるエピペンを教職員が適切に使用できるよう、医師の指導による実習を行っています。これまでの4年間で公立小学校を中心に2,000名を超える教職員が研修を受講し、緊急時におけるエピペンの使用について理解を深めています。実際に児童のアナフィラキシーの発症に直面した教員からは、研修を受けていたので落ち着いてエピペンを使用できたとの報告もあります。  そこで、新年度はエピペンを処方された児童・生徒が在籍する学校においては、子供たちに一番身近な学級担任などが必ず研修を受講するよう、市町村教育委員会などと連携して取り組みます。そして、研修を受講した教職員が校内研修を行い、すべての教職員が対応できるようにします。  また、栄養教諭と栄養職員には、新たに給食における食物アレルギーにテーマを絞った研修を行います。  さらに、アナフィラキシーの発症時にはエピペンを使用するとともに、救急隊員による速やかな処置と搬送が必要ですので、日ごろから学校と地域の消防機関との緊密な連携が重要です。そこで、県教育委員会は、エピペンを処方された児童・生徒が在籍する学校に対して、保護者の同意を得た上で、地域の消防機関と児童・生徒の情報を共有し、緊急時に迅速な対応をとるよう徹底します。  こうした取り組みを通じて、食物アレルギーに伴う事故の防止に努めてまいります。  以上でございます。  〔小野寺慎一郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 小野寺慎一郎君。 ◆小野寺慎一郎議員 知事、総務局長並びに県土整備局長、教育長におかれましてはご答弁ありがとうございました。少々時間がありますので、自席から発言をさせていただきたいと存じます。  まず要望でございますが、県土整備局長、前向きなご答弁ありがとうございました。大変積極的な取り組みをされるということが分かりましたので、これは県土整備の予算、今回の補正予算の中の6割ということでありますが、それぞれの部局でさまざまな工夫をされているというふうに思います。部局間でそういった積極策についてはぜひ共有をしていただくように、局長にもお願いをしておきたいというふうに思います。  そして、ちょっと順不同になるかもしれません。  まず、知事に再質問させていただきたいというふうに思います。  障害者に対する地域生活支援の推進なんですけれども、さまざま3年間で事業を拡大していただいてきたということは分かりました。ただ、私たちがやはり1点こだわりますのは、その金額、規模についてであります。平成21年度に約13万人いらしたこの支給対象者は、今といいますか、平成25年度には9,000人になります。そして手当支給額も、当初の43億円から平成25年度は5.7億円程度になるというふうに言われています。そして、翻ってプログラム大綱への活用額というものを見ますと、これはなかなかそこまで行っていない。手当支給額は37億円程度減っているわけですけれども、プログラム大綱への活用額というものはそこまで到底及ぶものではないということ、これを知事は把握していらっしゃるのでしょうか、まずそれを1点お聞きしたいというふうに思います。  そして、アレルギー疾患についてでありますが、来年度はまだNPOとの協働事業が続いていきますけれども、それ以降は一旦切れるということで、それ以降を私は危惧しているわけであります。せっかくこれまで、神奈川県のアレルギー対策というのは恐らく全国でも一番進んでいるのではないかと思うぐらい、教育委員会等でも徹底をしていただいています。アレルギーに関するシンポジウムに参りますと、そこで講演される先生方、多くは神奈川県と何らかのつながりを持っている先生方が多いんですね。まさにアレルギー先進県というふうに言えるようになってきたなというふうに思うんですが、この後どうしていくのか。  例えば、保健福祉局の主たる事業、我々にもご案内いただいていますけれども、それを見ても、その中にアレルギーという言葉が見つからないんですね。そういう中でアレルギー対策、これから本当に神奈川県として本気で進めていくつもりがあるのかどうかということであります。  例えば、これは今、教育長いろいろお答えいただきましたけれども、いろいろな部局が絡んできます。もちろん健康増進課、保健福祉局、例えば保育であれば次世代育成課でありますし、教育現場であれば保健体育課や、あるいは私学でありましたら学事振興課、さまざまな部局が絡んでくる。あと、今、ご答弁いただいた中に消防というのも入ってきましたね。そういうさまざまな機関、部局が連携することによって、そしてそこに多くの知見を、すぐれた知見を持つ、例えばNPOですとか専門医ですとか、そういう方々が加わった緩やかな連携体を作って、それでこれから神奈川県はアレルギー対策の新しい局面に向かって進んでいくべきではないかというふうに私は思っているのですが、そこについて知事のご所見をお伺いをしたいというふうに思います。  そして、安全防災局長にお尋ねしたいのですが、今後、緊急消防援助隊の受け入れについて、さまざま充実を図っていくということでありますし、また、無線のデジタル化によっても大分懸念は払拭されて行くだろうというのは分かります。  これ、神奈川県は緊急消防援助隊のいわゆる受援計画、これはなかなか、神奈川県のさまざまな、私、この黄色い「神奈川県地域防災計画」(地震災害対策計画)などを見ても、「神奈川県広域消防応援基本計画」というふうな言葉は出てきたりするんですが、具体的にその支援と受援のマニュアルのようなものが見当たらないのですが、これはあるというふうにも伺っています。でしたら今回のさまざま見えてきた課題ですね、これをその支援あるいは受援マニュアル、計画書のようなものがあればそれでも結構なんですが、そういうものにしっかり反映させたのかどうか、させているのかどうか、それをお伺いをしたいというふうに思います。  そして、教育長に一つだけお伺いします。  大変前向きで積極的なお取り組み、ありがとうございます。  一つ私が懸念しておりますのは、児童養護施設ですとかそういうところに教育委員会の取り組みというものがしっかり波及していくのかどうか。それは以前、私、何年か前に同じような質問をさせていただいたときに、学校だけではなくて保育の現場でありますとか、そういうところにもしっかりと、また私立幼稚園ですとか、そういうところにも波及させていくべきではないかというふうなお話をさせていただいたことがあるんですが、そういった施設に関しては、例えば児童に関する情報なども、なかなか不足するようなこともあろうかと思いますので、そういうところに対しての対応をどのように考えていらっしゃるのか、それをお伺いしたいと思います。  そして総務局長、この売却の結果、これは知事にきちんとお伝えしていただいたんでしょうか。いつごろお伝えをしていただいたのか、そのお返事をいただきたいと思います。  以上でございます。〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 再質問にお答えいたします。  まず最初、手当の支給が37億円減っているというふうなことについて、知っているのかということでありますけれども、基本的に、在宅重度障害者等手当、これを見直しという中で、手当からサービスへという流れを作っておりますので、基本的にそういうふうな現象が起きているということは、基本的に認識はしております。  しかし、先ほども申し上げましたとおり、この障害者の地域生活移行をさらに推進していく、必要な障害福祉サービスが必要な人に行き届くよう障害者の地域生活支援の充実に努めていくという、この方向性だけは改めて確認させていただきたいと思います。  アレルギー先進県としてのご指摘がありました。  私がこの、いのち全開宣言というふうな中で、健康寿命日本一を目指していこうというふうな流れの中で、例えば医食農同源、食には非常に大きな意味があるんだということを何度も繰り返し申し上げております。それはこのアレルギーの問題等にも通ずる発想ではないかと思っております。こういった辺りで、食のあり方、生活習慣のあり方によってアレルギーにならないような体質を作っていく、体を作っていくというふうな面においても、しっかりと先進的な動きを進めていきたいと考えているところであります。  以上です。〔安全防災局長(蛯名喜代作)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 蛯名安全防災局長。 ◎安全防災局長(蛯名喜代作) 再質問にお答えします。  県も消防に関する事前計画を持っております。これに基づいて、先ほど申し上げたように、緊急消防隊を受け入れる場合には安全防災局の消防課の近くに消防応援活動調整本部を置きまして、県と政令市、市町村の消防が集まって広域的な調整をする、そういう体制になっております。  今後、先ほど申し上げたデジタル化等々で、この消防調整本部にあるデジタルの通信機器で、各都県から来る応援隊と直接電話をしながら調整をするというふうなことにもなりますので、そういう新しい体制も出てまいりますので、そういったことについては訓練等しながら、課題あるいはさらに変更すべき点があれば、先ほど申し上げた受援計画等も反映させて直していきたいというふうに考えております。  以上でございます。〔教育長(藤井良一)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 藤井教育長。 ◎教育長(藤井良一) 食物アレルギーの研修でございますけれども、平成21年度から5年間という形の中で取り組みをやっております。市町村の教育委員会、横浜市教育委員会とか、それから基金とか、協働の事業として取り組みを行っております。  そうした中で、保育所向けの職員等も参加しております。また、公立の小中学校、高等学校、それから特別支援学校、幼稚園などの教職員も対象とした研修としております。〔総務局長(中島栄一)発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 中島総務局長。 ◎総務局長(中島栄一) 元知事公舎の跡地の入札結果でございますが、2月1日に入札を行いまして、その日に入札の結果ということで知事のほうへ報告を入れております。  以上でございます。  〔小野寺慎一郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 小野寺慎一郎君。 ◆小野寺慎一郎議員 ありがとうございました。  知事、先ほどの障害者の地域生活支援について、この活用額ですね、プログラム大綱に活用した在宅重度障害者等手当のあれ、これは約15億円です。大分、37億円とは乖離がありますので、そのあたり、しっかり把握してください。  そして、私が今、申し上げたこと、それぞれ提言のつもりで申し上げましたので、ぜひお酌み取りいただきますようお願いをして、私の発言を終わります。  ありがとうございました。 △《本会議録-平成25年第1回-20130226-027303-質問・答弁-相原高広議員-一般質問①人件費の削減について②職員の懲戒処分の指針について③教育委員会制度の見直しについて④災害廃棄物の県内受入れについて》   〔相原高広議員発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 相原高広君。  〔相原高広議員登壇〕(拍手)  〔議長退席、副議長着席〕 ◆相原高広議員 冒頭に、申し述べさせていただきたいと思います。  昨年の12月の総選挙の結果、安倍晋三衆議院議員が内閣総理大臣に就任されました。北朝鮮がミサイル発射実験や核実験を強行に実施したように、東アジアでの国際的緊張関係が高まる中で、我が国にとって改めて日米安保体制が高く評価される今、昭和35年に日米安全保障条約を改定して合衆国との強固な同盟関係を構築し、戦後の日本政治の中で圧倒的な功績と存在感のある岸信介総理の孫である安倍晋三氏が総理に就任されたことは時代の要請であり、象徴と強く感じます。  なお、岸総理が国民皆保険、国民皆年金への道を開いたこと及び最低賃金制度を創設したことは、我が国の社会保障制度の充実への大きな貢献であり、岸総理の功績としてもっと評価されるべきとも考えています。  黒岩知事におかれては、安倍総理と同じ昭和29年9月生まれと伺っておりますが、日本と神奈川県の発展は未来永劫に至る世代間の継承とも表現できますので、我が国の実質の責任世代である50代、60代であります安倍総理と黒岩知事が、よき日本と神奈川県を次世代へ継承するために大きな功績を残されますよう心から願うところでございます。  続いて、朝鮮学校への補助金の平成25年度当初予算への計上見送りについても申し述べたいと思います。  北朝鮮の核実験を受け、黒岩知事は、国際社会の平和と安定にとって重大な脅威であり、国際社会の総意を踏みにじる行為。強い憤りを覚える。そして、朝鮮学校への補助継続はどう考えても県民理解が得られない。苦渋の選択で見送ることにした。と述べられました。神奈川県政の推進は県民の支持が最大の基盤になりますので、私は、知事の決定は当然のものと評価しております。  また、行政課題のうち政治色を帯びた課題ほど政治家の積極的な対応が求められますが、朝鮮学校についての論争は激しくなりやすく、政治家が一種の政治的リスクを避けて積極的な対応をしない傾向がある中で知事が明快な意思表明を行ったことは、政治家のあるべき政治姿勢としても高く評価されます。  さらに加えれば、朝鮮学校をめぐる問題には、朝鮮学校での教育自体の問題と朝鮮学校の背景の問題の二つがあります。一つ目の朝鮮学校での教育自体については、県はこれまで授業内容に強い関心を持って対応されていますし、さらに、私は昨年の決算特別委員会で強く主張しておきましたが、平成25年度中に改訂される朝鮮学校で使用する教科書に、拉致問題を明確に記述させることに注力をされていることと思います。  もう一つの問題である朝鮮学校の背景については、多くの県民が疑問を持っていると承知していますが、これについては本県が情報を収集し、分析をすることに大きな限界がありますので、国に依拠する方法が最善と考えます。国は民主党政権下では判断を先送りしてきましたが、先週、文部科学省令を改正して、朝鮮学校を高校無償化の対象外にすることを決定しました。私は以前にこの本会議の場で、朝鮮学校への補助金については問題の特殊性から、制度を改正して国が一括して対応した方が良いのではないかと主張しましたが、一番重要なことは、朝鮮学校への対応について本県が国と同一歩調をとることだと考えます。黒岩知事が、下村博文文部科学大臣を初めとして国と十分な情報と意見の交換をされることを強く要望いたします。  改めまして、本日時点で黒岩知事の決定を全面的に支持することを表明するとともに、本県が朝鮮学校へ補助金を出すことに対して900万県民が懸念を抱くようなことがなくなる環境へ、一日も早く変化することを期待するところであります。  それでは、既に尊敬する議長の許可を得ていますので、黒岩知事に質問させていただきます。知事の明快な意思が込められた、見識のあるご答弁を心から期待するものであります。  質問の第1は、人件費の削減に関連してです。  まず、神奈川県緊急財政対策の推進との関係についてであります。  県では人件費の抑制について、平成25年度と26年度の2年間について、給与の削減として本庁課長級相当以上の職員については給料及び地域手当の6%を減額、その他の職員については給料及び地域手当の4%を減額、管理職手当受給者には管理職手当の10%を減額、さらには退職手当の支給率の引き下げをこのたび提案しています。これらの対応に関しては、県の厳しい財政状況に真正面から向き合うために人件費の削減を前の前の知事である岡崎知事の時代から継続して強く主張してきた私としては、高く評価するところであります。  現在、県では厳しい財政状況に対応するために緊急財政対策に取り組んでいますが、この緊急財政対策については、まさに知事が言われるように、緊急財政対策の成否は、県民の皆様といかに危機感を共有できるかにかかっていますと、私も考えます。  しかし、残念ながら、現在、県民に緊急財政対策の必要が十分に伝わっていない感があり、県民全体に本県財政に対する危機感が浸透していないのが正直なところです。地方財政についてはさまざまな見方をすることが可能であり、各種の財政指標からは、本県財政が全国の都道府県の中で他の多くの県よりは悪くはないと指摘をすることも不可能ではありません。そこで、何よりもみずから人件費を抑制すること自体が財政状況の厳しさを証明する最大の材料でありますので、本県の厳しい財政状況を県民の皆様に強く感じてもらうためには、人件費の削減策を強く発信することが最善の策であると確信しています。  また、今回の給与等の削減は、知事を筆頭とする職員による県政への貢献という側面もありますので、この観点からも、県民への周知も大切であります。  県が策定した緊急財政対策には、三つの取り組みとして、1県有施設の見直し、2補助金・負担金の見直し、3人件費の抑制が示されています、間違いなくこの三つの取り組みはいずれも同じように極めて重要ですが、このうちの一つである人件費の抑制については、これを県民に十二分に周知徹底することこそが県民の緊急財政対策への理解につながり、緊急財政対策の推進の最大の原動力になると考えます。  確かに、実際の行政の運営ではこれらの三つの取り組みを同時並行に進めていかなければなりませんが、理念的には、また、緊急財政対策を推進するための運動論としては、人件費の抑制の県民への周知徹底から入るべきであります。そうしなければ、最終的には緊急財政対策の成功は困難になります。  職員の給与等の状況に関しては、毎年度、定期的に県のたより等を通じて広報していますが、今回の一連の人件費削減の取り組みに関する広報については、過去の給与等の状況報告を超えて、緊急財政対策の推進の観点からの取り組みが強く求められます。  そこで知事に伺いますが、知事の言われる危機感の共有をして緊急財政対策を推進させるためには、県みずから人件費の抑制をしていることを、これまでの方法を超えて県民への周知徹底、外部への発信を行うべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。  次は、特別職の退職手当の引下げについてであります。  この質問については、特別職の方がごく少数であり該当する方が誰なのか明確でありますので、質問をすること自体に心苦しさを感じないわけではございませんが、黒岩知事を筆頭に、本県のすべての特別職の方はみずからの退職金の多寡にこだわられませんので、率直にお伺いしていきたいと思います。  退職手当の引き下げについては、国では官民格差を解消するため平成25年1月1日から国家公務員の退職手当の支給水準の引き下げを行っており、本県でもこれを踏まえ、国に準じて職員の退職手当の見直しを行うこととし、現在、本定例会に条例案が提案されています。この本県の対応については、妥当なものと高く評価するところであります。  しかしながら、国においては一般職と同様に特別職と指定職の退職手当の引き下げも行っておりますが、本県では、一般職の退職手当の引き下げを行おうとしているものの、特別職の退職手当の引き下げに関しては今のところ動きがないと受け止めております。一般職の退職手当の引き下げを国に準拠して行うのであれば、国と同様に、本県の特別職の退職手当についても引き下げを検討するのが自然な考え方であると確信しています。  そこで知事に伺いますが、知事を含め、職員全体の給与等を大きく見直すこの時期を好機として捉え、本県の特別職の退職手当の支給水準の引き下げについて、国の例を参考に検討を行うべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。  次は、特別職の給料のあり方について、具体的には教育長と知事特別秘書についてであります。  知事、副知事の給料の額については、特別職報酬等審議会への諮問、答申を踏まえて、それぞれの職に応じて条例により額が定められています。具体的には、「知事及び副知事の給与等に関する条例」では、知事の給料の額は月額145万円、副知事の給料の額は月額116万円とされています。また、「公営企業管理者の給与等に関する条例」では、公営企業管理者の給料の額は月額95万円とされています。しかし、同じ特別職であっても、教育長と知事特別秘書の給料の定め方に関しては知事、副知事、公営企業管理者とは違っており、私は以前より疑問を持っております。  教育長については「教育長の給与等に関する条例」において給料の額を「月額74万円を下らず93万円を超えない範囲内で教育委員会が知事と協議して定める。」とされており、また、知事特別秘書については「特別職の秘書の職の指定等に関する条例」において、給料の額を「月額72万円を超えない範囲内で知事が定める」とされています。  私は、そもそも特別職の給料のあり方については、大原則としてそれぞれの職に応じて額が定められるべきであると考えており、金額の範囲に幅があったり、人によって金額が異なったりするのは不自然であると考えます。  特別職の給料等の額についてはさまざまな観点からの議論が出てきますが、例えば教育長と公営企業管理者との給料の額の差については、本県の現状では、公営企業管理者が95万円である一方、教育長が93万円を超えない範囲内として、実際は92万円となっていますが、この差について、今日では合理的な理由が見出せないのが正直なところだと思います。  全国的に見れば、教育長の方が公営企業管理者より高い自治体もあれば逆もあります。本県を含め、全国的な教育行政への関心の高まりを重視して教育長の給与額を決定するべきです。以前のように特別職として出納長がいたときならば、出納長との比較も重要であったと考えます。  知事特別秘書の給与については、前の知事特別秘書が条例の上限であります72万円に対して現在の知事特別秘書が60万円になっていて、前の知事特別秘書の給与は現在の知事特別秘書よりも2割高いわけですが、前の知事特別秘書の方が現在の知事特別秘書よりも県政への貢献度が2割高いとは全く考えません。  そこで知事に伺いますが、知事を含め職員全体の給与等を大きく見直すこの時期を好機として捉え、特別職である教育長と知事特別秘書の給料のあり方について、金額の範囲に幅がある個別に決定する方式ではなく、全国的にも多く見られる定額とする方式を検討すべきと考えます。また、実際の給料の額についてもその職に応じた額へ見直しを検討すべきと考えますが、教育長と知事特別秘書の給与に関して知事のご所見をお伺いいたします。  質問の第2は、職員の懲戒処分の指針についてです。  私は、知事部局の職員と教職員の処分に関して以前より疑問を抱き、これまでに常任委員会で数回取り上げてきたところであります。一番最近では、昨年12月の文教常任委員会で取り上げたところであります。  職員の懲戒処分については、行政職員、教職員それぞれについて懲戒処分の指針が定められていますが、基本的には知事が定める行政職員の懲戒処分の指針がもとになり、教職員の指針も定められています。  懲戒処分の指針に具体的事項の定めがありますが、処分の軽重について特定の何が問題というよりも、私は、全体のバランスが悪いのではないかと感じています。基本的には全国的にも同じ傾向があるとも感じますが、現在の本県の職員の処分については、職員の職務上の不祥事や問題行為に対する処分に関しては甘いと感じる一方、職務以外の不祥事に対してはかなり厳しく対応していると感じています。また、問題を起こした職員が故意であったかどうかの観点に力点を置き過ぎており、結果に対する評価が弱いとも感じています。  特に、全国的な飲酒運転への厳罰化の世論の流れの中で、本県としては、職員の懲戒処分の指針を公務外での事故を伴わない飲酒運転に対して原則として免職と厳しく改定し、その際に、他の問題、不祥事に対しての処分基準は特に厳しく変更するようなことがなかったことから、バランスの悪さが目立ったと感じています。幾つか例を挙げれば、飲酒を伴わず相手に重傷を負わせる人身事故を起こした場合は免職にはなりませんが、公務以外で酒気帯び運転をした場合には事故を起こしていなくても原則として免職となりますが、疑問に感じる県民もいると思います。  また、このことについては、法的な観点からも疑問を持つ県民がいると思います。実際に、本県教育委員会が事故を伴わない公務以外で酒気帯び運転をした教職員に対して免職処分を行った案件に関して、私は昨年12月の文教常任委員会で指摘しておきましたが、本県教育委員会が懲戒免職処分とした4件のうち教職員がその決定を不服として争った事案で、3件が司法の場及び県人事委員会で教育委員会の処分の取り消しをされたことは重大なことであり、看過することはできません。  なお、職員の懲戒処分を含めあらゆる案件で、本県の行政判断が司法の場で認められなかったこと自体、重大な問題であります。  さらに言えば、学校でのいじめ等が影響して生徒がみずから命を絶った場合、学校の管理職や担任の教員等はほとんど懲戒処分がなされていないかと思います。また、公務中に仕事で起こした公文書の取り扱いの誤り等については、その与える影響が重大であったとしても処分が軽いのではないかと感じています。  私は、公務外での事故を伴わない飲酒運転をした職員を免職とするのは少し厳しいのではないかと以前より感じてはいますが、本日最も主張したいのは、処分の全体のバランスに疑問があるということであります。  そこで知事に伺いますが、本県の職員に対する処分の方針である懲戒処分の指針について、行政職員、教職員に対するもの、両方とも前回の見直しが平成20年2月1日ですので、既に5年以上の相当の年数がたっていることもありますので、ここで前回の見直しから今回までの動きを十分に踏まえて、見直しを含めて一度検討を行うべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。  質問の第3は、教育委員会制度の見直しについてです。  この課題につきましては平成24年第2回定例会でも取り上げましたが、私は、教育委員会制度の基本的かつ最大の問題点は、教育委員会が首長から相対的独立性を有していることから、首長と議会、つまりは住民の意思の反映が弱く、遊離していく危険性があることだと考えます。また、決定と執行のスピード感の欠如が際立っています。地方教育行政を首長の下に直接置き、教育委員会を廃止して、首長の補助機関として再編すべきと強く考えます。  昨年以降、滋賀県の大津市立中学校の生徒が自殺した問題や大阪市立高校の体罰による自殺事件の際に教育委員会がとった対応等から、教育委員会制度への全国的な不信感の高まりが間違いなくあると確信しています。また、当然ながら知事もメンバーであります全国知事会は、既に政府の要請を受けて、「義務付け・枠付けの見直し(第4次見直し)に向けた提案事項」の中で、さらには昨年9月には「第2期教育振興基本計画(審議経過報告)に関する意見」の中で、教育委員会制度の見直しを明確に表明しています。私は、この全国知事会が表明している意見内容は極めて妥当なものと評価しています。  さらには、文部科学省では下村博文文部科学大臣が教育委員会のあり方について、中央教育審議会における議論を踏まえ、来年、平成26年の通常国会に関係する法律改正案を提出するとの明確な意思表示をされております。なお、これまで衆議院議員として、その前は東京都議会議員として教育問題に熱心に取り組んでこられた下村文部科学大臣のさらなる活躍を大いに期待するところでもあります。  あわせて、別の課題を指摘しておきますと、現在の制度でも可能にはなっていますが、実際上は大きな不便さが伴うものに、学校以外の教育委員会が所管する分野の首長との関係があります。  地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、学校その他の教育機関のうち、大学は地方公共団体の長が、その他のものは教育委員会が所管するとされており、例外として、条例の定めるところにより、文化に関することやスポーツに関することなどを知事が管理することができるとしています。例えば文化に関することについて言えば、本県では図書館や美術館などを教育委員会で所管しており、一方で、文化行政の中で県民ホールや音楽堂などの文化施設を知事部局で所管していますが、私は文化行政の一元化が重要と考えています。  現行制度では、条例の定めるところにより知事が管理することにするための条例の処理が煩雑であり、運用しづらくなっています。この条例の処理を緩やかにできるような制度にすることによって、教育機関と文化施設の両者の一体的運用をしやすいようにすべきと考えます。  そもそも、このような地方自治体の内部の事務分担については、地方自治体の判断で容易に決定できるように早急に改めるべきであります。  そこで知事に伺いますが、私は、最近の国や他の自治体の動向を踏まえ、教育委員会制度の見直しを早急に行い、地方教育行政を首長の下に直接置き、教育委員会を廃止して首長の補助機関として再編するのが最善だと確信しておりますが、すぐにそこまでとは言わないとしても、全国知事会が国に既に提言しているとおり、地方分権推進委員会第3次勧告に基づき、教育委員会の設置を選択制にすべきであります。  また、既に首長が行うことができる文化に関する事務と関連する図書館、博物館等に関する業務について、地域の実情に応じ、首長のもとでの一元的な事務の実施を可能とすべきと考えます。  以上申し上げましたことを踏まえていただききまして、教育委員会制度に関して知事のご所見をお伺いいたします。  質問の最後は、災害廃棄物の県内受入れについてです。  災害廃棄物の県内受け入れについて、私は積極的に受け入れるべきとの立場から、既に何度かこの本会議の場で発言してきました。昨年6月にこの本会議で取り上げた後、7月には知事から新たに漁網の受け入れの提案がなされましたので、その実現を大いに待ち望んでいるところであります。  しかしながら、昨年12月に最終処分場のある横須賀市の大楠連合町内会から、町内会内部では反対票が賛成票を上回っていることを理由に、受け入れに反対する、との連絡があり、今年1月には文書回答により、交渉を打ち切る旨の連絡があったと承知しています。  この災害廃棄物の県内受け入れについては、神奈川県議会では推進する立場を表明しています。昨年12月には東日本大震災の津波で発生した漁網の処理の促進を求める決議があり、また、災害廃棄物である漁網の実効的処理の促進を求める意見書が可決されたところであります。神奈川県においては黒岩祐治知事と県議会が、横須賀市においては吉田雄人市長さんと市議会が、受け入れに基本的に賛成の立場と認識しています。つまり、神奈川県と横須賀市とも、住民から選挙で直接選出される首長と議会の両方ともが受け入れに賛成の状況であります。  そのような中、国は、東日本大震災に係る災害廃棄物の処理工程表(進捗状況・加速化の取組)を本年1月1日に改訂しました。その中では、本県への漁網、漁具の受け入れ依頼量として、岩手県九戸郡洋野町の1,000トン及び野田村の100トンの合計1,100トンになっており、以前に示された量よりは減少しています。全体のスケジュールとしては、災害廃棄物の平成26年3月末の処理完了に向けて「災害廃棄物について、広域処理を含めた処理先の調整を年度内に完了し、すべての処理先を確保。」となっています。国の平成26年3月末までという災害廃棄物処理完了目標の実現のために、本県として協力をしたいと強く思っております。  もちろん、東日本大震災からの復興の意味から、来年3月末までではなく、一日も早い処理完了を願っています。当初、東日本大震災が世界史的な大災害であっても、我が国の国土全部が被害に遭ったわけではなく、我が国の実力からすれば、国が立てた目標の平成26年3月よりも早い段階で処理完了ができると信じていたのは私だけではないと思います。こんなにも時間がかかっていることが信じられないところであります。  先月1月25日には、改めて国から本県に対して「東日本大震災に係る災害廃棄物処理の進捗状況・加速化の取組の策定及びこれを踏まえた広域処理の協力要請について」という要請があり、そこでは広域処理を含めた処理先の調整を年度内に完了し、すべての処理先を確保することの方針が示されており、その上で、岩手県の漁具、漁網の処理について、本県に対して広域処理への協力の依頼が引き続きなされています。  本県の災害廃棄物の広域処理による受け入れについては、900万県民の心の底からの東日本大震災被災地の一日も早い復興への願いを酌み取ったものではありますが、そもそもの話の原点は、国からの要請を受けて黒岩知事が英断し、一昨年の12月に受け入れを表明したものであります。  本県による災害廃棄物の受け入れの話は、すべては国からの要請が始まりですので、それゆえに、この1月25日に国が示した広域処理の工程表の、広域処理を含めた処理先の調整を年度内に完了し、すべての処理先を確保することという内容は、いまだ受け入れが実現できていない本県にとりましては大変に重いものがあります。  そこで知事に伺いますが、災害廃棄物の県内受け入れについて、先月、1月25日に国が示した工程表と国からの本県に対する要請をどのように考えておられるのか、また、今後の対応について知事のご所見をお伺いいたします。  以上で私の第1回目の質問を終了いたします。  ご清聴まことにありがとうございました。〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(笠間茂治) 黒岩知事。〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 相原議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、人件費の削減について何点かお尋ねがありました。  まず、給与の削減と緊急財政対策との関係についてです。  緊急財政対策に取り組むに当たって、昨年10月、県財政の危機的状況を訴えるというメッセージを出して、県民の皆様にご理解を求めてきました。また、対話の広場や県民説明会などにおいて私から直接県民の皆様に、本県の置かれている厳しい財政状況やこれまでの職員数削減、給与減額などの取り組み、緊急財政対策の必要性などを説明して意見交換を行ってまいりました。  そうした中、県会議員の皆様にもご協力をいただき、平成25年4月からの2年間、私を含め総額320億円を超える職員給与等を減額することとし、退職手当の支給率引き下げとあわせて今議会に関係条例の改正案を提案しました。このような取り組みについては、先日、緊急財政対策の取組状況として公表し、改めて県民の皆様にお知らせしたところです。  このように、さまざまな方法で県民の皆様への発信に努めてまいりました。今後も市町村長や関係団体との意見交換の場など、さまざまな場面で給与減額などみずから身を削る努力をし、職員一丸となって緊急財政対策に取り組んでいることについて、私からも直接訴えかけてまいります。  これまでの取り組みを超えた方法での県民への周知ということですが、さらに有効な手だてがあれば、引き続き取り組んでまいります。  こうしたことを通じ、県民の皆様と危機感を共有しながら、当面の財源不足を乗り切るためだけでなく、10年先、20年先を見据え、子や孫の世代に負担を先送りすることのない行財政基盤の確立を目指し、全力で取り組んでまいります。  次に、特別職の退職手当の引き下げについてです。  国の特別職である内閣総理大臣や国務大臣の退職手当については、国家公務員退職手当法に基づき、一般職の同様の規定により支給されています。一方、本県では、一般職の退職手当は国に準じていますが、特別職については国とは異なり、一般職と連動する制度とはなっていません。こうした取り扱いは、他の都道府県の特別職についても同様です。  厳しい財政状況の中、本県は平成9年度から特別職、一般職ともに給与の減額に取り組んでおり、平成25年4月からは、より一層の危機意識を持って県政運営に取り組んでいくために、私を初め副知事などの特別職の給与を2年間減額します。特別職の報酬額については、これまでも県民や学識経験者等の第三者で構成される特別職報酬等審議会でご議論いただいており、退職手当についてもこの審議会で、特別職の報酬額全体のあり方を踏まえ、総合的に検討していただきたいと考えております。  次に、特別職の給料の在り方についてです。  特別職の給与については、特別職報酬等審議会において、国の特別職の給与や一般職の給与改定の状況、他の地方公共団体との均衡などを総合的に調査、審議していただき、審議会の答申をもとに条例で定めています。  教育長については、平成12年の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正により、一般職である教育長が、新たに特別職である教育委員の身分をあわせ持つことになりました。教育長は従前から一般職としての身分を有しており、一般職と同様に、その給料月額については幅を設けて条例に規定し、その範囲内で教育委員会が知事と協議して個別に額を決定してきました。  また、知事の特別秘書については、全国的にも給料月額に幅を設けてあり、一般職の例により算出するなど、職責に加えて年齢、経験等を総合的に勘案の上、報酬額を決定できる給与体系となっています。本県でも知事の特別秘書の設置に当たり、平成20年に「特別職の秘書の職の指定等に関する条例」を県議会においてご議決いただき、この条例において月額72万円を超えない範囲内で知事が決定することとした経緯があります。  このように、金額に幅を設けている特別職の給与についても、今後、特別職報酬等審議会のご意見等を伺いながら、そのあり方や額について検討してまいります。  次に、職員の懲戒処分の指針についてお尋ねがありました。  本県は処分の標準例を示すことで事故発生を未然に抑止するという視点から、過去の処分を参考に懲戒処分の指針を平成14年に策定しました。この指針には、公務員としての信用を大きく損なう収賄や横領を初め個人情報の流出など、公務上の違法・不適正な行為と、公務外におけるものとを分けてその処分程度を定めており、基本的に公務上の行為は公務外より重い処分としています。  飲酒運転については、平成18年に福岡県内において公務員の飲酒運転により幼い子供の命が奪われる出来事があり、大きな社会問題となりました。こうしたことから、本県としても飲酒運転の危険性の高さや社会的影響の大きさ、交通事故防止や交通安全教育を進めていることを踏まえ、公務の内外を問わず、酒酔い及び酒気帯び運転については原則免職という厳しい対応をしています。  今後も現在の懲戒処分指針をもとに、この間の本県の飲酒運転の処分に対する裁判所の判決も十分に踏まえ、個々の事案ごとにその経緯や故意、過失の度合い、職員の職責や社会に与えた影響などを総合的に判断の上、処分を決定していきます。  また、職員一人一人が公務員として誇りと使命感を持って県民の皆様の信頼にこたえられるよう、事故、不祥事防止の徹底に取り組んでまいります。  次に、教育委員会制度の見直しについてお尋ねがありました。  教育委員会は、政治的中立性、安定性、継続性を保つため、知事から独立した合議制の行政委員会として設置されています。この教育委員会制度については、権限と責任の所在が不明確であること、決定の迅速さに欠けることなどの批判があると承知しています。また、昨年からの大津市や大阪市でのいじめや体罰への教育委員会の対応が十分でなかったことが厳しく批判され、国においても改めて教育委員会制度の見直しの検討が始められています。  これらの事案に対し、私と教育委員会は、いじめを絶対に許さないという同じ思いを緊急アピールとして迅速に、そして強く県民の皆さんに訴えました。また、体罰に関してはいち早く調査に着手するなど、本県の教育委員会は適切に対応していると考えています。  私は、これまでも教育委員とは時間をかけて意見交換を行い、自分の考えや思いをしっかりと伝えていますので、現在の教育委員会との関係では特に不都合は感じていません。しかし、教育委員会制度のあり方についての私の考えは、教育委員会を設置するか、設置せずに教育行政自体を市長のもとに置くかの選択を、地方自治体の判断に委ねるべきであるというものであります。  次に、文化に関する事務についてです。  図書館や博物館は個別の法律によって教育委員会の所管と定められており、これらの施設を首長部局が一元的に管理するには法の改正が必要となります。  本県では、図書館や博物館などの社会教育施設と文化行政を一元的に知事部局に置くか、教育委員会に置くかについてこれまでも議論してきたところです。今後、この所管のあり方については教育的視点や県民サービスの向上、専門性の維持など多様な視点から、議会の皆様との議論も十分踏まえた上で検討していきたいと考えております。  最後に、東日本大震災で生じた災害廃棄物、漁網の受け入れについてお尋ねがありました。  東日本大震災の津波で発生した岩手県洋野町及び野田村の漁網をかながわ環境整備センターで受け入れるため、これまで地元、大楠連合町内会のご理解を得るよう取り組んできたところです。昨年11月には私も現地に行って惨状を目の当たりにし、直接現地の皆さんから漁網の受け入れについて要請を受けました。また、12月には県議会や横須賀市議会から、県民の理解を得るための努力を継続するようにとの趣旨の決議や意見書をいただきました。  しかしながら、連合町内会から本年1月に文書をもって、受け入れに反対すること、そして漁網受け入れに係る交渉を終了するとの通知があり、ご理解をいただけず、大変残念な思いであります。その後、1月25日に環境大臣から災害廃棄物の処理工程表が示されるとともに、本県に対し、災害廃棄物のうち岩手県の漁網の広域処理について改めて要請がありました。今回、示された処理工程表によれば、岩手県の漁具・漁網の推計量は8万トンから3万トンに見直されました。このうち1万トンについて岩手県内での処理が可能となりましたが、残りの2万トンは広域処理の必要があるとしており、本県は、洋野町及び野田村の漁網1,100トンについて改めて要請を受けました。  被災地を初め、処理に携わってきた皆さんの努力で量は減少したものの、広域処理の必要性は全く変わっていません。そもそも漁網の放射能濃度は検出下限値以下であり、しかも焼却しないで埋めるため、放射能の不安はありません。このことをご理解いただければ必ずや受け入れに賛成いただけると考えています。  神奈川県でも大規模地震の発生が懸念されています。私たちも支援をお願いする立場になり得るのです。明日は我が身という言葉もあります。今、実際に困っている被災地の方のために何としても受け入れを実現し、復興を手伝いたい、私のこの思いにいささかも変化はありません。そして、横須賀市長も同じ気持ちであると伺っています。  一方、環境大臣からは、災害廃棄物のすべての処理先を3月末までに確保するとの方針が示されています。被災地のことを考えれば、一日も早く災害廃棄物の処理を終え、復興に一歩踏み出してほしいと強く思っています。  限られた時間ではありますが、引き続き、横須賀市と連携しながら受け入れに向けて努力してまいります。  私からの答弁は、以上です。  〔相原高広議員発言の許可を求む〕 ○副議長(笠間茂治) 相原高広君。 ◆相原高広議員 知事から丁重なご答弁をいただきました。  災害廃棄物の県内受け入れにつきましては、引き続きのご尽力を心からお願いをするものであります。何とか東日本大震災の復興に神奈川県としてもっともっと協力をしていきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  その他の課題につきましては、今後、引き続き本会議や委員会の場で議論をすることがあろうかと思いますので、その場でまた議論をしていきたいと思います。  以上で質問は終わります。どうもありがとうございました。 ○副議長(笠間茂治) お諮りいたします。  本日の質問この程度で終わり、次回引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、ご異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(笠間茂治) ご異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-平成25年第1回-20130226-027304-諸事項-諸報告-》 ○副議長(笠間茂治) 次に、日程第3、定県第180号議案 職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例外6件を議題といたします。  本職あて文書が提出されておりますので、書記に朗読させます。  〔書記朗読〕   ───────────────────────────────────────                                 人委第386号                               平成25年2月20日 神奈川県議会議長 竹 内 英 明 殿                 神奈川県人事委員会委員長 高 井 佳 江 子条例案に対する意見について(回答) 平成25年2月19日付け神議第106号により意見を求められました条例案について、次のとおり意見を申し述べます。                            〔本会議録巻末158頁参照〕   ───────────────────────────────────────防災警察常任委員会審査結果報告書 当常任委員会は、平成25年2月25日の本会議において付託された定県第195号議案 平成24年度神奈川県一般会計補正予算(第8号)について慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと議決したので報告する。  平成25年2月25日 神奈川県議会議長 竹 内 英 明 殿                   防災警察常任委員会委員長 加 藤 元 弥   ───────────────────────────────────────県民企業常任委員会審査結果報告書 当常任委員会は、平成25年2月25日の本会議において付託された諸議案について慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと議決したので報告する。  平成25年2月25日 神奈川県議会議長 竹 内 英 明 殿                   県民企業常任委員会委員長 安 藤   慶   ───────────────────────────────────────環境農政常任委員会審査結果報告書 当常任委員会は、平成25年2月25日の本会議において付託された諸議案について慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと議決したので報告する。  平成25年2月25日 神奈川県議会議長 竹 内 英 明 殿                   環境農政常任委員会委員長 杉 本   透   ───────────────────────────────────────厚生常任委員会審査結果報告書 当常任委員会は、平成25年2月25日の本会議において付託された諸議案について慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと議決したので報告する。  平成25年2月25日 神奈川県議会議長 竹 内 英 明 殿                    厚生常任委員会委員長 いそもと 桂太郎   ───────────────────────────────────────商工労働常任委員会審査結果報告書 当常任委員会は、平成25年2月25日の本会議において付託された定県第195号議案 平成24年度神奈川県一般会計補正予算(第8号)について慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと議決したので報告する。  平成25年2月25日 神奈川県議会議長 竹 内 英 明 殿                   商工労働常任委員会委員長 塩 坂 源一郎   ───────────────────────────────────────建設常任委員会審査結果報告書 当常任委員会は、平成25年2月25日の本会議において付託された諸議案について慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと議決したので報告する。  平成25年2月25日 神奈川県議会議長 竹 内 英 明 殿                     建設常任委員会委員長 佐々木 正 行   ───────────────────────────────────────文教常任委員会審査結果報告書 当常任委員会は、平成25年2月25日の本会議において付託された定県第195号議案 平成24年度神奈川県一般会計補正予算(第8号)について慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと議決したので報告する。  平成25年2月25日 神奈川県議会議長 竹 内 英 明 殿                     文教常任委員会委員長 相 原 高 広   ───────────────────────────────────────総務政策常任委員会審査結果報告書 当常任委員会は、平成25年2月22日及び25日の本会議において付託された諸議案について慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと議決したので報告する。  平成25年2月25日 神奈川県議会議長 竹 内 英 明 殿                   総務政策常任委員会委員長 桐 生 秀 昭   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-平成25年第1回-20130226-027305-諸事項-討論-嶋村ただし議員》 ○副議長(笠間茂治) これより討論を行います。  討論の通告がありますので、順次発言を許します。  嶋村ただし君。  〔嶋村ただし君登壇〕(拍手)  〔副議長退席、議長着席〕 ◆嶋村ただし議員 自由民主党県議団を代表し、討論を行います。  国は昨年12月、自民党安倍内閣が誕生し、経済再生、震災からの早期復興、そして日本を取り戻す政治へとかじが切られました。特に経済再生については、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略三つの基本方針のもと大規模な補正予算を組み、本日、成立する見込みであります。  本県も国の緊急経済対策に伴う補正予算に連動し、281億余万円の補正予算案の提案となりました。経済状況は上向きとの報道もありますが、地域経済のエンジンを回す施策として県民の期待も高いと考えます。効果を発揮するために、我々議会もこの状況を踏まえ、早急な対応を行うものであります。  当局においても、県庁一丸となってしっかりとかじをとられますよう強く求めます。  初めに、公共施設などのインフラの劣化対策であります。  高度経済成長期に建設され、老朽化した土木施設の点検、調査、補修等、地震への対応、また渋滞解消や物流ネットワークの構築を目的とした道路の整備、通学路などの交通安全対策や都市公園等の安全・安心対策などは県政の重要課題であります。速やかな効果を発揮するため、一刻も早く発注するとともに、平成25年度当初予算案と一体的に編成し、前倒し発注も含めて経済の活性化を図るよう要望します。  次に、警察署耐震補強工事費についてでありますが、18署の耐震性がいまだ確保されておらず、今後、速やかに耐震化を図るよう要望します。  また、交通安全施設整備費の防災機能の強化事業についてでありますが、災害による停電時用に信号機に電源付加装置を整備するほか、老朽化した信号機専用柱の更新事業は震災対策としての緊急輸送路の確保の視点からも重要であり、今後も必要な事業には、警察費の増額に努めるよう要望します。  次に、子育て支援策についてであります。  少子化が進む中、子育て支援は大変重要な施策であります。保育士の賃金や設備の改善など市町村の子育て支援事業に活用する、安心こども基金積立金については、地域の実情によって事業が行えるよう、県として国に対し、柔軟な事業メニューを拡充するよう働きかけていくことを要望します。  次に、森林整備加速化・林業再生事業基金についてであります。  国の補正予算は経済対策としての側面から、速やかな事業の実施が求められています。他方、民間への補助事業が多くなるので、事業執行に際して、基金条例のもと適正な管理を進める必要があります。経済対策としても、また、本県の林業にとっても有効な基金活用を要望します。  最後に、緊急雇用創出事業臨時特例基金の積み立てについてであります。  基金の積み増しにより国の交付金を財源にし、地域に根差した雇用創出に資する、起業支援型雇用創造事業を新たに実施するものであります。その事業の委託先が起業後10年以内の企業等に限定されることもあり、基金が有効に活用され、多くの事業が実施されるように、幅広く周知徹底するよう要望します。  基金事業は、要件や使途などに課題があると言われてきました。厳しい雇用情勢の中、県、市町村一体となって基金を積極的に活用し、雇用創出につなげるよう取り組むことを要望します。  以上意見、要望を申し上げ、2月22日及び25日に付託された諸議案に関し、所管常任委員会における審査結果報告のとおり賛成することを表明し、討論を終わります。                               〔拍 手〕 △《本会議録-平成25年第1回-20130226-027306-諸事項-討論-早稲田夕季議員》   〔早稲田夕季議員発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 早稲田夕季さん。  〔早稲田夕季議員登壇〕(拍手) ◆早稲田夕季議員 私は、民主党・かながわクラブ県議団を代表し、本定例会に提案されました定県第195号議案 平成24年度神奈川県一般会計補正予算ほか、諸議案に対し意見、要望を申し述べ、賛成の立場から討論を行います。  今回の補正予算は、1月11日に閣議決定された国の緊急経済対策、日本経済再生に向けた緊急経済対策の実施のための補正予算、約13兆円に連動したものであります。国も地方も巨額の財政赤字が累積する中で、大型公共事業による景気対策がどの程度有効性があるのか、政策の効果についての検証が必要と考えますが、一方、地域を元気づけ、活性化するには一刻も早く政策手段を投入することも求められます。  本県の補正予算についても、歳入と歳出の両面からしっかりと検証を行うとともに、補正予算に盛り込まれた事業について、その効果を最大限発揮できるよう、事業実施に当たっては迅速かつ適切な執行が図られるべきと考えます。  まず、歳入について申し述べます。  補正予算の総額281億円余りの主な歳入は、地方交付税16億円、国庫支出金129億円、県債130億円、その他繰入金や諸収入等となっています。これにより、平成23年度末には3兆7,000億円余りであった県債発行残高は、今年度末には当該年度の新たな起債償還分を合わせ4兆円を超える見通しとなっています。  知事は先日の本会議において、基礎的財政収支を平成30年度までに黒字化し、臨時財政対策債を含めた県債の残高を平成35年度までに減少に転じさせる目標を明らかにしました。本県の厳しい財政状況を考えると、この目標達成は容易ではなく、今回の補正予算に伴う県債の新たな発行によって本県財政の厳しさは一層増すものと言わざるを得ません。  現在、本県では緊急財政対策の取り組みが行われ、平成24、25年の2カ年で総額626億円の財源を確保するとともに、県有施設や県単独補助金の見直しのロードマップが示されました。しかし、現状においては財政収支を均衡させるための具体的な方策や、いつまでに何を達成するのかといったロードマップは示されておりません。一日も早く財政再建に関する具体的な方策とロードマップを示されるよう要望いたします。  次に、歳出に関して申し述べます。  まず、県営かんがい排水事業費についてでありますが、本県農業の推進には、今後も県民が望む新鮮で安心・安全な野菜などを生産し、供給していくことが必要であり、生産の基礎となる用水路や農道、農地等の生産基盤について整備を推進し、用水の安定供給や農作物の輸送力の向上、機械化による農作業の効率化を図っていくことが重要です。事業の進捗を図るため補正予算を活用し、地元要望の高い用水路等の早期完成に向けて適切に執行していくことを要望いたします。  次に、緊急雇用創出事業臨時特例基金の積み増しについてであります。  これまでの実績によると、約30億円規模で千二、三百人の雇用を創出してきたとのことでありますが、今回の補正予算により同基金残高は60億余万円になるとのことであります。従前との変更点として、行政直接支援から起業支援型雇用創造事業、つまり委託方式への手法がとられるとのことですが、委託方式により緊急的に失業者の雇用の場を創出できるのか疑問も持たれるところであります。事業目的に照らし、速やかに雇用創出をできるような柔軟な姿勢での取り組みを求めます。  次に、いじめ対策の推進でありますが、昨今、いじめが大きな社会問題となり、学校では例年以上にいじめが多く認知されています。いじめ問題を解決に導くために、まさに新年度を迎える前のこの時期に対策を行うことは大変有効と考えます。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの活動を充実させる等、改善に向けた積極的な取り組みを要望いたします。  次に、281億円の補正予算のうち165億円を計上した県土整備局所管事業費についてであります。  4年ぶりに増額に転じた国の公共事業によって、防災強化や老朽化対策の進捗、雇用創出に期待する一方で、国や県の厳しい財政事情を鑑みれば、今後の効果を注視していかなければなりません。あわせて、道路や橋梁、トンネルの老朽化対策は継続的に計画的に実施すること、また、復興・防災対策については県民に説明できる補助金の活用を図ること、鉄道施設安全対策事業については中小鉄道事業者の施設の診断調査のみならず、安全対策工事についても支援を検討することを要望いたします。  また、県土整備局所管事業費165億円の内118億円が県債であります。補正予算債は交付税への充当率が高いので、通常の建設債に比べ優位性が高いことは承知していますが、交付税が臨時財政対策債に振りかわっている現実は忘れてはなりません。冒頭で述べたとおり、常に県債に対する意識を持ちつつ成果の構築、検証を図っていくことを強く求めます。  最後に、補正予算に盛り込まれた歳出について、年度末の補正ということもあり、各種基金の造成に充てるほか、各種工事請負費など来年度当初予算に繰り越す部分が多いと承知しています。補正予算の目的が緊急財政対策であることから、来年度当初より円滑に工事等の執行ができるよう、早急に準備されるように求めます。  さらに、今回の補正予算のみならず、新年度予算を含め経済のエンジンを回し、雇用を促進し、高齢者の生活や子育てへの配慮など、県民が安心して暮らせる施策を継続していく視点で精力的に取り組まれるよう要望をいたします。  以上、意見・要望を申し上げ、民主党・かながわクラブ県議団として本定例会に提案されました諸議案に対し、所管常任委員会の審査結果報告のとおり賛成を表明し、討論といたします。  ご清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-平成25年第1回-20130226-027307-諸事項-討論-斉藤たかみ議員》   〔斉藤たかみ議員発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 斉藤たかみ議員。  〔斉藤たかみ君登壇〕(拍手) ◆斉藤たかみ議員 みんなの党の斉藤たかみでございます。  私は、みんなの党神奈川県議会議員団を代表いたしまして、本定例会に提案された議案のうち2月22日、25日に付託された諸議案に対し、賛成の立場で討論を行います。  定県第180号議案及び195号議案から200号議案に関しまして、提案説明及び各常任委員会での質疑の経過等を踏まえて賛成をいたします。  なお、定県第195号議案に関連して、商工労働常任委員会において我が会派が指摘をしたように、緊急雇用創出事業臨時特例基金の積み増しについて、障害者雇用の促進や失業者の方々に対する施策の周知にしっかりと力を入れて頂くよう求めます。  また、今回の補正予算は地域経済のエンジンを回す施策に積極的に取り組むことを目的としておりますので、市町村や関係団体における事業を初め県事業においては、その執行を早期に実施することが何よりも重要であると考えます。執行に当たってはぜひともスピード感を持って対応していただくよう求めます。  さらに、それと同時に、議案審議に要した時間は日程的にも非常にタイトなものでございましたので、関係市町や団体等に対しての調整は今まで以上に慎重に行っていただくことを提案いたします。  以上、指摘、提案すべき点を申し上げ、討論を終了いたします。  ご清聴まことにありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-平成25年第1回-20130226-027308-諸事項-討論-飯田満議員》   〔飯田 満議員発言の許可を求む〕 ○議長(竹内英明) 飯田満君。  〔飯田 満議員登壇〕 ◆飯田満議員 神奈川維新の会として、ただいま議題となりました定県第180号議案 職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例のほか6件に対し、賛成の立場から討論を行います。  初めに、職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例についてであります。  退職金が減額される前に退職する、いわゆる駆け込み退職が全国で問題視されるさなか、本県においても3月1日から退職金の調整率を100分の104から100分の100に引き下げる専決議案が議題となりました。厳しい財政状況が続く本県の財政事情と、国が今年1月1日から実施している国家公務員退職手当引き下げの状況を鑑みれば、本県の今年度中の引き下げ実施については評価できるものであります。  さらに言えば、本来、改正条例の施行期日も国に準じて行うべきであったと考えますが、百歩譲って、3月1日からでも実施しようとする知事の意気込みは評価することとし、本条例案については賛成を表明するものであります。  次に、日本経済再生に向けた緊急経済対策に対する平成24年度神奈川県一般会計補正予算案についてであります。  この時期における本県の補正予算案としては、280億5,000万円余と大きな財政となりました。今補正予算案の特徴として、来年度予算案と合わせた14カ月予算と称され、公共事業の追加、基金の積み立て、その他として大きく分けて3区分されたものであります。その中でも特筆すべきは、今回計上された176億5,900万円余の公共事業であり、そのほとんどが、今年度残りわずか1カ月の中で財政支出が困難な繰越明許であります。  しかし、今年度補正予算で対応しようとする経済対策のテクニカルな手法として、財政出動の空白を作らない対応は緊急経済対策として有益であると考えます。したがって、基金の積み立てもさることながら、早期に事業化を図り経済の活性化へとつなげる方策として、実際に事業を行う市町村などと早急に調整を図り、経済を活性化するための算段を関係局に強く要望いたします。  最後に、県当局におかれましては事務作業や関係者との調整等で多忙を極めていると存じますが、神奈川県経済、及び我が国の経済対策として、その趣旨を鑑み、本補正予算案を議決すると同時に、早急に予算執行の準備をしていただきますことをお願い申し上げ、所管常任委員における審査結果報告どおり賛成することを表明して、討論を終わります。  ありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-平成25年第1回-20130226-027309-採決-》 ○議長(竹内英明) 以上で討論を終わります。  採決いたします。  日程第3、定県第180号議案 職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例外6件について、以上一括して、所管委員会の報告どおり原案にご賛成の方はご起立を願います。  〔総員起立〕 ○議長(竹内英明) 総員起立により、以上、原案のとおり決しました。   ─────────────────────────────────────── ○議長(竹内英明) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  次回の会議は明27日午前10時30分に開きます。  本日はこれで散会いたします。まことにご苦労さまでした。                  午後5時3分 散会...